連載小説
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第1話
とある町……そこは、人が賑わう、平和な町だ。誰もが夢見るような、平和な町……
そんな町の中を歩く、一人の男と一人の少女。

住民「あら、カムイ君にノノちゃん!仕事帰りかい?」
いつもお互いにお世話になっているおばさんが、その二人に話しかける。二人………カムイとノノは、そのおばさんの方を見て

カムイ「はい、そうですよ」
と、カムイは笑顔で答えた。ノノは恥ずかしいのか…それとも別の理由があるのか、カムイの後ろで隠れて、少し顔を出しておばさんを見てる
カムイ「コラ、ノノ!」
住民「あはは、いいのいいの!おばちゃんわかるから、恥ずかしいんでしょ?でも、そこが可愛いじゃない!」
おばさんは笑いながらそう言った。
住民「じゃあ、また今度おばちゃんの依頼もお願いね?コロッケ、おまけしとくよ?」
カムイ「あ、はい!ありがとうございます!」
一礼して、二人は自分達の家に向かって歩いていた



そして、自分達の職場並びに自宅へ着いた二人。
カムイ「ふぅ…ただいま〜」
カムイは上着を脱いで、ハンガーにかけて引っかける。ノノも、少し大きめの上着を脱いで、ハンガーにかけて引っかける。

ノノ「ベル、もう出てきていいよ」
左手を顔をより少し下の位置まで上げて、左手に話しかける。そして、左手からは……



















「あぁ、わかっているぞ」
男性の声が聞こえて、左手の人差し指の先が黒くなり、それが伸びて…黒い羽を生やした、一つ目の黒い球体が現れる。
ベル「にしてもノノ、カムイ殿は我のことを周りに気づかれないようにしてくれているのだ。服で手も隠れている、そんなに敏感にならなくてもよいだろう」
ノノ「だって、バレたら大変だし…」
その左手の悪魔と会話する。当然、ノノ以外の人にもベルのことは見える。
カムイ「まぁ確かに、周りの人より天使にバレた方が大変だな……」
窓の外にいる、人達を見ながら言う。その中に、明らかに顔つきがおかしい人物が一人………その人の顔は、感情も何もないような空っぽの顔…こちらには気づいていないようだ。
そう、あれが天使……天使は、人間みたいになることができる。悪魔と天使は互いに、気配を察知できる……だが、天使の察知能力の方が弱い。だから、こちらには気づいていない。
ベル「あれは、天使だな……こちらには気づいていないようだが」
窓の外を見ずに、天使がいることをノノに伝える。ベルは落ち着いている様子だが、ノノは

ノノ「え!?天使!?ベル、早く!早く隠れて!」
ベル「落ち着け、ノノ。向こうは我々に気づいていない」
ノノ「え…そうなの……?」
急いで近くにあったタオルで隠そうとしている状態で、止まってキョトンとしているノノ。それを聞くと、安心した表情になる。

ベル「我が隠れていれば、気配はほとんど無くなるが…周りが見えなくなるのが困るな…」
カムイ「そうだな……」

ノノは窓辺に行き、空を見上げた。青く、透き通るような……あの空を

ノノ「きれい…!」


つづく
16/03/02 08:17更新 / 青猫
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