連載小説
[TOP][目次]
第13話『正義って何?』
あたしは、あれ以来リリーを見る目が変わったみんなとお同じ、遊んでくれるお姉さん的存在ではなく……「目標」として見るようになった。正直、最初は盗賊にいいイメージを持ってなかった…けど、悪い盗賊ばかりではない、リリーみたいな盗賊もいるんだと思った。リリーは、この孤児院だけじゃなくて、この町も助けてる…早く…早く、リリーみたいになりたい…そう思ってた。




あれから一週間経った日のこと……リリーは孤児院に戻ってきていて、子供達と遊んでいた。
リリー「…よし、完成!みんなは出来た〜?」
紙飛行機を持って、周りの子供達が折れたかどうか見回す
子供「できたよー!」
子供「僕も〜!」
リリー「みんな折れたっぽいね、じゃあ飛ばしにいこ〜!」
みんなは紙飛行機を持って、外へ出た。
リリー「いくよ〜?せーの!!」
その掛け声で、みんなは紙飛行機を一斉に投げた。みんなの折った紙飛行とんて飛んでいく……
途中、落ちる紙飛行機もいくらかあった。落ちたときに「あ〜、俺のが落ちた〜」というような、子供の声が聞こえた。
リリー「あ、わたしのも落ちちゃった。」
そして、一番最後の紙飛行機が落ちた………あたしの紙飛行機だ。
リリー「おぉ、ミミのが一番遠くに飛んだね〜!」
リリーやみんなは、あたしに「すごい」と言ってくれた
そうしていると、リリーが町の方を見る…

ミミ「…どうしたの?リリー」
リリー「いや……なんか、町の方が騒がしいなって……」
耳を澄ませてみると……確かに、町から人の叫び声などが聞こえてくる…
リリー「なんかあったのかな…!」
リリーは町の方へ向けて走り出す
ミミ「リリー!」
リリー「ちょっと様子見てくる!!みんなはここで待ってて!」
門から出て、右に曲がって走っていった

ミミ「…!」
ミミはリリーの跡を追った………














町の方へ向かったリリーは、絶望的な光景を目の当たりにした……
町の建物が燃えていて、住民は血を流して倒れており…傭兵らしき人達が、悲鳴をあげながら逃げる住民を追いかけ…捕まえては殺している、絶望的な光景……

リリー「なに…これ……………」
女性「い、いや…ぁっ……殺さないで…殺さないでぇ…!!」
ドスッ

女性「」
ドサ……

傭兵「おい、少しやりすぎじゃないか?」
傭兵の一人が、女性を殺した傭兵に話しかける。その傭兵は笑いながら
傭兵「いいんだよ。コイツ等、あのリリーとか言う盗賊から貰った物で生活してるみてーだし。それに、こうしてればお目当てのリリーが、出てくるかもしれねーしなぁ♪」
リリー「…!」
コイツ等……わたしを捕まえようとしてる傭兵…!関係ない町の人を、平気で…笑いながら殺してる…!許さない……!!!

リリーはナイフを取り出して、先ほど女性を殺した傭兵に向かって投げつける
傭兵「ってぇ!?」
傭兵にナイフが刺さる。その傭兵も含めて他の傭兵は、リリーの方を向く

傭兵「お前…リリーか!」
リリー「そーだよ、狙うならわたしだけを狙いなよ!!」
リリーはそこから逆の方向へ走って逃げる。
とりあえず、この傭兵を町の外へ出せば…!
傭兵は、リリーを追いかけた……一人の傭兵を除いて…

傭兵「…ん?」
先ほどナイフが刺さった傭兵が、路地裏の方を見る。立ち上がって、路地裏に近づく……そこには…………


































ミミ「…!」
傭兵「あ、こんなところにガキが隠れてんじゃん♪」
ミミだ………リリーの跡を追って、路地裏に隠れて様子を見ていた………ミミを見つけた傭兵は、にやりと笑って近づく。
ミミは、その場から逃げ出した
傭兵「お?鬼ごっこか?待てよ〜♪」
傭兵は剣を抜いてミミを追った


ミミ「はぁ…はぁ……!」
息を切らしながら、必死で逃げている……後ろから追いかけてきている傭兵に捕まれば、間違いなく殺されるただだが、子供の足と体力では、捕まるのは時間の問題みみミミ「はぁ…あっ! 」
ミミが道にあった石に躓いて、転けてしまう。すぐに立ち上がって、逃げようとした…が……今ので足を怪我したため、うまく走れない……

傭兵「やっと追い付いたぜ!」
もう傭兵が、後ろまで来ていた。傭兵は持っていた剣を振り上げる…
ミミは、死を覚悟した……

傭兵「じゃあな、クソガキ♪」
傭兵は、勢いよく剣を振り下ろした





































ミミ「………」
剣は振り下ろされた……が、おかしい。斬られた感じがしない……
ゆっくり、目を開けた……

ミミ「……!!!」































リリー「大丈夫……ミミ…?」
そこには、リリーがいた。リリーがミミを守るように覆っていた。背中は、斬られて血を流している
傭兵「…!リリー…!!」
リリー「……」
リリーは持っていたナイフを、傭兵の心臓目掛けて突き刺した
傭兵「うっ…」
傭兵はその場に倒れた。その数秒後、リリーも倒れる。
ミミ「…!リリー…!」
ミミはリリーの横でしゃがみ、顔を見る
リリー「ダメ…でしょ………こんなところに…来たら…」
リリーは、弱々しい声でそう言った…
ミミ「ごめんなさい…!死なないでよ、リリー!」
ミミ涙を流していた。リリーは右手の人差し指で、ミミの涙を拭ってあげる
リリー「…ミミ……一週間前に言ったこと…覚えてる……?」
ミミ「一週間前…?」
リリー「…わたしみたいに…なるって………話…だよ……」
リリーの右手は、ミミの左頬を触れていた
リリー「…本当なら……止める…べきなんだ……盗賊になるってこと…………こんなことに…なっちゃうから…さ……でも…」
リリーが、こちらを向いて弱々しい笑顔を浮かべた…
リリー「ミミ…なら…わたし、みたいに……ううん………わたし以上に……なれるって…思うんだ……」
ミミ「……」
リリー「だから…さ………全部…託しても……いいかな……」
ミミは、涙を流しながら、黙って頷いた。それを見たリリーは、安心したような表情をして………ミミの左頬に触れていた右手は、力無く…地に落ちた………

ミミ「……っ…」


















あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"
あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"
あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"
あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"
あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"
あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"
あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"
あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"
あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"
あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"
あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"
あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"
あ"あ"あ"あ"!!!!























あたしはそれから、隣町の孤児院に移った……そこでクライヴとイリアに会い、一緒に盗賊になることを決める。ちなみに、あたしがいつも着てるこのマントは…リリーの物
そこで決意した……盗賊になること……この世に存在する傭兵を、全員殺すことを……





ザック「………」
ミミ「さぁ、あたしは話したよ。あんたのも聞かせてよ」
ザック「…あぁ。」

あたしは、ザックの過去を聞いた………それは、あたしと一緒で…大切な物を、全部奪われた……幼い子供には、残酷すぎた過去だった……


ミミ「…あたしと一緒じゃん……」
ザック「…そうだな……まさか、ここまで似てるとは思ってなかった…」
互いの過去を知った二人。同じように憧れ、同じように失い、同じように憎しみ……何もかもが一緒だった

ザック「ここから、どうなるか、だな…」
ミミ「…何が……?」
ザック「俺達は、互いの過去を知った…でもって、偶然俺達は憎しみ合う関係……だけど、何故憎しむのか、理由もわかった。……それがわかった上で、今までと考え方を変えないか……若しくは、変わるか…」
ミミ「………」














いかがでしたか?このように、信じた道を進んでも、もしかしたら間違った道を行っている可能性があるかもしれません。
ミミは、信じた道を進んだか、外れたか……どちらを選んだか、私にはわかりません。
最後に、もう一度だけ聞きます




その道が間違ってると思ったことは、ありますか?



16/02/20 21:37更新 / 青猫
前へ

TOP | RSS | 感想 | 目次