連載小説
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11月2日(晴)

椿が自分探しの旅に出てから、三日経った。以前は一人で住んでいたけど、やはり寂しい…けど、椿が旅で、一体どんな経験をするのだろうか、成長してどうなったか、すごく楽しみ。心配もあるけど、楽しみなのもある、あるけど……


























椿「幽香〜、お腹空いた〜!」

三日で、帰ってきました。


幽香「今からご飯の準備するわ…」
まさか三日坊主になるとは……いや、確かにこの子気分で行動するところあるけど、旅に出るとき、あんなにいい顔して出てったのよ?それはもう、辛いこととかもたくさんあるけど、大切なことを知ることができたような旅になるだろうって思ってたのに、驚きの速さよ。一瞬にしてそんな期待と楽しみを粉砕されたわ


昼食を食べながら、椿の旅について聞こうと思う
幽香「椿、旅はどうだった?」
椿「ん?」
まるですごい戦でもして顔が血だらけのようにケチャップがついてる椿に問う。一体どんな食べ方をすればそうなるのか、問いたいが今は旅について聞こう。椿は少し考えて、血だらけ…ではなく、ケチャップだらけの顔でこちらを向いて答えた。



















椿「楽しかった。」

小学生の作文か




片付けが終わってリビングに行くと、ソファに座っていた椿が立ち上がってこちらに来る
椿「ねぇ幽香、散歩いこ〜よ!」
幽香「散歩?」
ニコニコと笑いながら私を見ている。一通りのことは終わったし、いいかもね

幽香「えぇ、いいわよ」
椿「やったー!」
私達は、散歩に出掛けた

散歩しながら、椿の旅のことを詳しく聞いた
椿「でさぁ、最初に正邪と会ってね!「お前はこの間の犬ッコロ!今日こそお前を倒して下克(スパーンッ!)ジョオオォォォォ!!?」ていう感じになって」
幽香「さりげなく返り討ちにしてるわね」
椿「で、その後……えーっと…名前聞いてなかったけど、青色の髪で黒い帽子被ってる女の人と会ってね」
幽香「あの天人ね…」
椿「何か、よくわからないこと言いながら私を追いかけてきてさ、逃げてたら途中その人がスキマに吸い込まれちゃった」
幽香「紫ナイス」
そんな感じで、いろいろ危険なことが起こりつつ面白おかしいようなことがあるような旅であったことがわかった。

夕方になり、家に向けて帰っていた

椿「…あ!」
椿が横に曲がる
幽香「椿?」
ついていくと、人間の里などが見渡せるような場所につく。綺麗な夕日が見える

椿「綺麗だね〜!」
幽香「えぇ」
二人で座って、その夕日を見た。
椿「なんかさ、前にもこんな風に…誰かと夕日を見てたような気がする…」
幽香「まだ椿が、犬だった頃?」
椿「ううん、多分違うような……」

椿の過去はよく知らない、椿も記憶がない……もしかしたら、椿を犬じゃなかったのかもしれない…
紫が言った、「すごい力を持ってるかもしれない」という言葉もわかる気がする…

幽香「…ところで椿、自分探しの旅で…何か自分のことわかった?」
椿「ん…?私のことか〜…」
椿は夕日を見てる……そして、こちらに向いたとき、笑顔でこう答えた。
椿「幽香の娘!」
幽香「…!」
…嬉しいこと、言ってくれるわね……
椿「あれ、幽香泣いてる?」
幽香「泣いてないわ…ちょっと、目にゴミが入っただけよ…」

幽香は立ち上がり
幽香「さぁ、そろそろ帰えりましょう。夕飯の支度をしなきゃね」
幽香は、椿に手を差しのべる
椿「…うん!」
椿が、手をのばした







椿「…!?」
幽香の手を掴もうとした手が、止まってしまう。目を見開いてる…

幽香「…椿……?」
その声で、我に返った様子。
幽香「大丈夫…?」
椿「う、うん!大丈夫だよ!」
幽香の手を掴んで立ち上がり、二人で家に向かって歩いた。





…………なんだったんだろ……今の…




つづく
15/12/23 22:49更新 / 青猫
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