読切小説
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電車
この電車に乗る少し前、大きな本屋さんで買ったエッセイの漫画を読み終わり感傷に浸りながらなんとなくSNSを見てた。慣れた手つきでケータイを上着の右側のポケットにしまい、左うでの肘を手すりに乗せ、その上の拳の上にアゴを乗せた。下唇にあたり、なんとなく寂しくなる。景色が走っている。走り去って行く。去った景色はすぐに見えなくなり、いつもの生活が小さいものに感じる。さっき読んだ本の話を思い出す。僕も本が書きたいな。アナウンスがなり、プシュっとドアが開く。終点まであと5分くらい。また景色が走り出す。どんどん加速してる。前を見ると電車が右に左に揺られてる。ゆっくりと、右に、右に右に、左に左に、左に。なんたらかんたら、アナウンスが次で降りると教えてくれた。忘れ物は、ない。カバンのチャックを閉めて、財布が入っている方のポケットに手を突っ込む。すぐに出し、内ももに乗せる。どんどんゆっくりになる。右に、左に揺られてる。前の人が立ち上がる。私も立ち上がろう。
18/08/01 14:30更新 / 浮空(深鳥)

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