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ACT2 『学園都市』                   執筆者 銃太郎

私、石鎚山瑞棋は今、先輩であり親友のアレス・ウォーターフィールドと共に先ほどひょんな事から拾ってしまった謎のジュラルミンケースを抱えて学園へと向かう電車に乗る為に駅のホームで電車を待っていた。
私たちはケースを守るように二人の間に置いてベンチに腰掛けた。さっきの柄シャツの男が奪回の機会を密かに付け狙っているかも知れないからだ。
10分…20分…待てども電車は一向に来る気配がない。
「なあみずき、おかしいと思えへんか?」
携帯の画面を覗き込んでいたアレス先輩が私の方を向いて小声で囁いた。
「うん、さっきから私たち以外にホームに人が居ませんよね。」
そうなのだ。さっきまで帰宅を急ぐ乗客で賑わっていたプラットホームだが、いつの間にか人影が見えなくなっていた。そのに間電車が来た記憶は私にも先輩にも無かった。
「やっぱりタクシーに乗ればよかったんじゃないですか。 それとも学園に連絡して先生方に迎えに来てもらうとか…」
「そう言うけどな、さっき買い物し過ぎてうちの財布はからっぽなんや。 残り少ないお金もみずきのプリンパフェに消えてしもたしな。」
あうう…それを言われると返す言葉がありません…
「それにさっきから携帯も繋がらんみたいや。電車の運行情報も見れんようになってる*。」
携帯が繋がらないなんて、ますますおかしい。私は悪い予感で胸騒ぎを覚えた。
「みずき!空を見てみ!」
突然先輩が空を指さして叫んだ。見上げると夕焼けに染まっていた筈の空が一面灰色になり、まるで天から薄いベールを被せられたかのようにぼんやりと淡い光を放っていた。
「これは! まさか閉鎖空間!?」
「閉鎖…空間…?何なんですか?一体何が起きて…」
耳慣れない言葉に不安がよぎり、先輩の方を見た。だが先輩の目は私の肩越しの遠くに釘付けになっている。
「みずき、下がっとり!」
先輩は私を自分の背後へと押しやった。声からは緊張しているのが分かる。
「やっぱりあんたの仕業やったんか。何のつもりや?、って言うても無駄か…目的はこのジュラルミンケースやろ?」
先輩が20m程離れて立っている黒いスーツ姿の男に向かって話しかけた。さっきこのケースを若い男に奪われた本人だった。
「ほう、よく分かってるじゃねえか。人の物をネコババしようたぁ、学園都市の住人は泥棒揃だぜ。 さあ、ケースを返して貰おうか。」
背の高いスーツ男がゆっくりとこちらへ歩いて来る。 近づくにつれて次第に顔がはっきり見えて来る。
顔は20代後半位に見えるが、髪は銀髪というか白髪頭のように見えるが、染めているのかどうかは分からない。体つきは手足が長くひょろりとしているが、眼光は鋭く異様な威圧感を放っている。とても堅気の人間でないことは私の目にもわかる。
魔術や超能力は全然使えない私でも危険を感じて体がすくむ。
「それは出来んな。このケースの中身はアーティファクトやろ? 古代の魔術兵器なんて物は学園都市の博物館か研究所の人間しか扱ったらいかん、一般の人間には触れることさえ禁じられてる位ヤバい代物や。 そんな物を持ち歩いてる怪しいオッサンにすんなり返す訳にはいかんな!」
って、先輩、威勢のいい事言ってますけどすごくヤバそうですよあの人!?
「ふん、そんな事貴様が知る必要はない。 どうやら痛い目に会いたいようだな。 それじゃぁ望み通り可愛がってやるぜ。」
男はじりじりとこちらへ迫って来る。どうしよう…先輩はこうなったら意地でも引かない人だし…助けを呼ぼうにも携帯が通じないし…
「しゃあないな…みずき、伏せとき!」
先輩はスペルカードを取りだして呪文を詠唱した。 すると線路に敷かれた砂利が浮き上がり、弾幕のように男へ向かって降り注ぐ!
しかし…男が無言で右手を翳すと黒い円形の魔法陣が現れ、それにぶつかった砂利の弾幕はバラバラとホームの上に落下してしまった。
ああ…だから言ったじゃないでですか…
「どははは、この程度でこの俺に勝てると思ってんのか?。ざけんじゃねえぞクソが!」
男がダッシュして先輩の前に移動した。 
「よくも舐めた真似してくれたな小娘!。この落とし前は着けさせて貰うぜ!!」
男の手が先輩の顎を掴んで空中へ持ちあげた。 苦しそうにぐぅっとうめき声を上げる先輩。先輩を助けなきゃ! 先輩を放せ!! 
私は男に向かって全力でタックルを食らわせた。だが男が腕をまるで蠅を払うかのように振り払うと、私の体は宙に持ち上げられてそのままホームに叩きつけられた。
「ぐぅぅ…」
いくら体力に自信があると言っても所詮ただの人間、魔導師相手じゃ歯が立たない…
その時、鈍く光る灰色の空にぴりぴりと亀裂が走った。 それは瞬く間に空一面を蜘蛛の巣のように覆い尽くした次の瞬間ガラガラと崩壊して消滅してしまい、その後には星が瞬く夜空が現れた。
「な…何だと!」
何が起きたか分からず狼狽する男の手の力が緩み、先輩はホームへと崩れ落ちた。私は先輩へ駆け寄って助け起こした。
どうやら意識はあるらしく、これくらい平気や、と笑いかけてくれた。もう、先輩ったら強がりなんだから。
ふと男を見ると夜空に浮かび上がる青白く光る巨人の姿を見て驚愕している。というか私も驚いている。今度は一体何なの?
その光の巨人はのしのしとこちらに近づき、男に向かって手を伸ばして男を掴もうとした。
「あれは!?、ソウルフレイム!」
男がジャンプして回避しながら大量の光る弾幕のような物を巨人に向けて放つ。しかしそれは巨人の体に吸いこまれるようにして消えてしまう。
一体何が起こってるの?普通科進学クラスに通うただの女子高生の私の理解を超えた現象が目の前で次々と起こって頭の中が混乱する。
男は巨人の腕を機敏に避けながら攻撃を続けるが、一向に決着が着く様子がない。次第に男は疲れたのか動きが鈍くなった。
肩で息をしながら男の動きが一瞬止まった。
とりゃー!!
突然奇声とともに黒い影が私の視界をよぎった。不意を突かれた男の体が真横に数メートル弾け飛んだ。
「ふん、甘いわ!神人に気を取られてあたしの気配に気づかないなんてとんだ3流魔法使いね!」
男を蹴り飛ばした黒い影はスタッと着地を決めると、倒れ込んで呻いている男へ向かって仁王立ちして言い放った。
「うちの生徒に手を出すとはいい度胸ね! あんた一体何者? 学園の平和を乱す悪の組織かしら? そんな物はこのあたしが許さないわよ!」
生徒会長!
学園の制服に身を包み、長い黒髪を夜風に靡かせてすっくと立つ麗しきその姿は紛れもなく我が退魔神学園の全生徒を束ねる生徒会長**にして全生徒の憧れの先輩そのものだった。

「二人とも怪我はないかしら。強力な魔力反応を感じて追っている途中にこの駅の辺りで急に反応が消えたと思ったら、まさか学園都市内にあたし以外に閉鎖空間を発生させるヤツがいたとは驚きね。」
目元涼しく笑いかけてくれるその綺麗な顔を黄色のカチューシャがより一層引き立てている。何だかこの人の笑顔を見ると元気が湧いて来るんだよね。
「私は怪我はありません、けどアレス先輩が…」
「う…うちはもう大丈夫やで、ほらこの通り…」
先輩は立ちあがって生徒会長に向かって笑って見せたが、足元はふらついている。
「あんた達良い根性してるわね〜、テロリストに生徒だけで立ち向かうなんて。でも、もうこんな無謀な真似しちゃダメよ。 もしあたしが来るのが遅かったら命を落としてる所よ!」
「すみません会長。ほら先輩、会長から叱られちゃったじゃないですか。だから学園に連絡しようと言ったのに。」
「うー…ごめんなみずき。うちの判断ミスのせいであんたまで危ない目に合わせてしまって…。」
しゅんとうなだれる先輩。先輩が時々見せる気弱な表情は、普段の元気のいい姿からは思いもよらない程寂しげだ。
先輩には悪いが私はその表情が好きだったりする。なのでその顔を見たさに時々わざと意地悪な事を言って困らせたりもする。
「まあいいわ、今度から気をつけなさいね。それより魔力の元はこの金属の箱ね?」
「はい、うちらはそれを学園に届けようとしてて襲われたんです。」
「ふーん、それでこんな面白そうな物をどこで手に入れたのかしら? 」
会長が目を輝かせてケースを見ている。不思議な物事が大好物だと言う会長らしい表情だ。
私たちがこのケースを入手した経緯を会長に話すとますます興味をそそられたらしく、あちこち触りまくっている。
「ふーん…アーティファクトね…ますます興味深いわ。古代魔術で封印されてるわね。 これはあたしの手にも負えないかも…この文字は!?」
会長が何かに気付いたように目を見開き、慌てて携帯を取り出してどこかへ電話を掛け始めた。
「……ええ、そうよ。今すぐお願い。だから緊急事態なの!あたしの命令よ、つべこべ言ってないで30秒で来なさい!遅れたら罰金よ!!」
最初は小声で会話の内容は聞き取れなかったが、最後の方の怒号は少し離れた私たちの耳にもすぐそばで喋っているかのようにはっきりと聞き取れた。 

「てめぇら動くんじゃねぇぞおらぁぁぁぁ!!」
今まで気絶していた件の男が線路を背にして立ち上がり、上着を脱ぎ捨てて怒鳴った。
「ちょっと!あんたそれマジなの!?」
会長がその姿を見て呆れたように声を上げた。ていうか私と先輩も驚いて開いた口が塞がらなかった。 なぜなら男は腹に大量のダイナマイトを紐で巻き付けており、それらから伸びた導火線に火の点いたライターを近づけて私たちを威嚇していたからだ。
「しょっっぼい下っ端魔導師だと油断してたらとんでもない隠し玉を持ってたわね***。 というか何でダイナマイト? 仮にもテロリストならC4火薬くらい使いなさいよ…」
「五月蝿い、ソウルフレイム使い相手じゃ手段を選んでられねえんだよ!そのケースをこっちへ投げろ!変な真似するとドカーンだぞ!」
「ふん、命を捨ててもケースを守ろうとする根性だけは褒めてあげるわ。でももうゲームオーバーよ。」
会長は意外にも冷静沈着だった。それもそのはず、上のセリフを喋り終えるや否や完全装備の対能力者特殊部隊が線路から突入して来たからだ。
男が驚いて振り向いた隙に会長の右回し蹴りがまたもや男の腹部に炸裂、ダイナマイトがホームに散らばり、昏倒した男はあえなく取り押さえられてしまったのだった。
「わー!カッコいいですね!ね?先輩?」
「うーん、会長の今日の下着は黒か…なかなかアダルティーやな。この学園の制服のスカートが短くて****ホンマよかったわ。」
って、どこ見てるんですか先輩!

連行されるダイナマイト野郎を見送った私たちは、学園からの迎えの車に乗って学園都市の中心部へと急行した。私たちの乗る車の前後は特殊部隊の車両が警護している。なんだかエライ事になってるんだという実感が今更湧いてくる。
正門をくぐると普段私たちが通う校舎が立ち並ぶ学校エリアがあり、車はそこを通り抜けて更に奥、学園都市の中枢である管理エリアへと進んだ。
ここには学園都市のトップである学園理事長の公邸や、学園理事会の本部や各種行政機関や研究所などが集中するこの都市の運営を司る重要なエリアだ。
私や先輩はここへは入った事がない、というか一般生徒の立ち入りは厳格に制限されていて、限られた場所にしか入る事は出来ない。
しかし生徒会長はここにも自由に入れるらしく、途中の検問で顔を見せると警備員が敬礼をして車を通してくれた。
車はとある白亜のコリント様式の円柱が立ち並ぶ豪華なビルの前で止まった。 私たちが車を降りた時は既に辺りは夜の帳が下りていたが、その建物だけはライトアップされていて、夜の闇にその姿を白く浮かび上がらせていた。
「さあ着いたわ、ここが学園理事会本部よ。」
会長に案内されて中へと入る。建物の中は不思議な記号や模様が刻まれた壁や、古い肖像画や胸像が並んでいる廊下など見た事も無い物だらけだった。
中には私たちが持ってきたケースの表に書かれた魔道文字に似た模様もあった。
会長がとある重厚な木の扉をぎぎぃーっと開いて中へと招き入れる。
「さ、入りなさい。」
私と先輩は恐縮しながら中へと入る。
「あ〜ん会長会いたかったわ〜♪」
いきなり奥から金髪の女性が飛び出してきて会長に抱きついた。
「理事長*****、只今戻りました。っていうか会うたびにハグするの止めてもらえないかしら?」
「だって〜、会長のお肌ってすごくすべすべなんだもの〜。」
会長は理事長に頬ずりされて困っている。
「先輩、理事長って普段もこんな人だったんですね…」
「ああ、うちもビックリやわ…」
先輩も目を丸くしている。学園での理事長は生徒に親しまれるようにぶりっ娘をしてると思ってた。実際生徒たちからは可愛いと人気で、『りり長』とか『りりちゃん』と呼ばれて親しまれているのだが、まさか素でこんな性格だったとは…
「いい加減にしろ!」
背後から理事長の頭にチョップを食らわしたのは長い黒髪の長身の女性だった。 そのスーツ姿のクールな美人はこの学園の学園長だ。
「いた〜い!もう、学園長******の意地悪〜りりちゃんプンプン、」
子供みたいにほっぺを膨らませて拗ねる理事長。なんだか可愛い。

「話は彼から聞いたよ。」
学園長が指さした先には、夕方にこのケースを奪おうとしたシャツの男が腕に包帯を巻いて立っていた。 彼は学園風紀委員会のメンバーだと言う。
「いやー、先ほどは不覚でした。なにしろすごいタックルでしたので転んだ弾みできき腕を脱臼してしまい、魔法が使えなくなったので退散するしかありませんでした。」
頭を掻きながらバツの悪そうに笑うシャツ男。
私たちはそうと知らずに泥棒扱いして怪我をさせてしまったのだった。 私と先輩は彼に平謝りをしたが、秘密任務なので止むをえませんよと笑って許してくれた。

「ところで〜学園内に閉鎖空間が発生したそうね?捕まえた男が犯人なの?」
理事長が頭のたんこぶをさすりながら会長に聞いた。
「いえ、彼はただの雑魚、能力者は別に居るわ。あたしが新人で閉鎖空間を破った瞬間に感じた気配がすぐに消えたから恐らく現場から逃亡したはずよ。」
「じゃあ学園都市にまだ居る可能性大ね〜。外部との防御結界が破られるなんて…もっと結界を強化しないといけないわね。 りりちゃん今夜は徹夜かしら〜、あ〜ん徹夜はお肌の大敵なのに〜。」
理事長、お肌を気にしてる場合なんでしょうか…

ところで例のケースの中身の事なのだが、理事長によれば古代に異空間からこの世界に現れた種族が持っていた文明の遺物だそうで、その存在は古代文献には記述されているが実際に見たという証言は無く、国際魔導師協会が血眼になって探している物だと言う。

「そんな超レア物がなんでこの学園都市に現れたんや?」
「あれじゃない?りりちゃんの日ごろの行いが良いから〜、神様がプレゼントしてくれたのかも〜。」
理事長ってお気楽なのか真面目なのか分からない…本当に謎な人だ。
「これが学園都市の存在を快く思わない連中*******の手に渡れば厄介な事になる。その前に手に入った事は幸運だと思うしかないな。」
理事長の頭を後ろから平手で叩きながら学園長が言った。この二人は中が良いらしい。というかボケと突っ込み?

「3人とも今日はお疲れ様、お腹空いただろ? 夕食を一緒にどうかな。」
学園長がディナーに招待してくれるなんて感激だ。先輩と会長も喜んで招待を受けることにした。
「食べよう食べよう〜♪」
理事長も大はしゃぎだ。 って、ケース開けちゃっていいんですか!?
いつの間にか理事長によってケースの魔術封印が開けられていた。 
「理事長…その中身は一体…」
中には一着の見覚えのある物が入っていた。
「みずき…あれ、どう見てもスクール水着に見えるんやけど、しかも旧型の。あれがアーティファクトなんか?」
「あたしが聞きたいですよ先輩。ていうか知ってたんじゃないんですか?」
「いや…授業で習ったんはもっとカッコええ形しとったんやけどな…」
「旧スク水ね…古代人も萌えを分かってるじゃないの!なかなかやるわね!」
いや会長、突っ込む所はそこじゃないです。
「りりちゃんどっちかと言うとビキニが好きだな〜、思いっきり布が小さいやつ。」
理事長も何言ってんですか…
「ねえ、誰かこれ着てみない?あなた、みずきって言ったわね、どうかしら?」
古代のスク水を持った理事長が私に迫ってくる。一体私はこれからどうなるのだろうか。


++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
脚注

*ここ学園都市はちょっとした地方都市並みの広さがあり、そこに暮らす学生や職員とその家族のために独自の都市機能を持っている。水道や電気、鉄道などそれらのインフラは学園理事会管轄下の行政組織の手で維持管理されている。もし異常が発生すれば直ちに携帯やネット、街頭のモニターなどで告知がされると同時に、能力を持つ学生で組織された学園風紀委員会が出動して住民の安全確保に当たることになっていた。

**アレス先輩によれば生徒会長は通称『神人使い』と呼ばれる能力者で、ソーマと呼ばれる一種の生命エネルギーを実体化させて操る事が出来るのだ。 その形は会長の意志で自由自在に変形可能で、先ほどの青く光る巨人『神人』もその一形態で最も会長が好んで使う形態であり、別名ソウルフレイム(魂の炎)とも呼ばれている。
それともう一つ、閉鎖空間というこの世界とは隔絶された空間を作り出す能力も持っていて、その力は世界をまるごと破壊して再構成出来るほどだと先輩は言っていた。だが何の能力も持たないただの人間の私には途方もない話でとても信じることは出来ないのだが…

***ミッションが失敗したら自爆テロでもやるつもりだったのだろうか…。

****退魔神学園の女子制服のスカート丈は膝上20センチ以上と校則で定められている。 能力者の戦闘訓練や、魔導師の授業で箒に乗るのに丈が長いと邪魔になるというのがその主な理由だ。しかし、戦闘訓練も箒に乗る事も無い普通科の生徒にとってはそんな校則は無意味だと思う。
まあ、この学園の制服はデザインが可愛いくて私もお気に入りだから別に短くても構わないのだが。
ちなみに上記の訓練がある特殊能力科や魔法科の女子はスカートの下にブルマを履くのが一般的なのだが、生徒会長だけは何故かブルマを履いていない。
理由はよく分からないのだが、一説には面倒くさいからだとか…会長は細かいところには頓着しない性格なのか?
魔法科のアレス先輩が言うには会長は男子が居る前でも平気で着替えを始めるらしいから、やっぱりそうなのかもしれない。

*****理事長はウエーブの掛った金髪と巨乳をいつも自慢している。服装はフリルのついた白いブラウスに黒いタイトなミニスカート、ガーターベルトと黒いハーフタイツというセクシーな服装と裏腹にとても童顔で、私たちと同じ年ごろにも見える程だ。
大きな目玉の付いた黒い帽子を被り、黒マントを着ている姿を見た事があるから魔法使いなんだと思う。 本人は朝礼でりりちゃん17歳で〜す、とか言ってるけどネタだろう。同じ事を言うベテラン声優さんを真似してるに違いない。
実際はもっとずっと年上だという噂だが、年齢の事を聞いた者は呪いを掛けられてキイロイトリの姿にされると言われている。けどこれも都市伝説だと思う。
弥彌山莉々(やみやまりり)という日本風の名前なのだが、どう見ても日本人には見えない。一言で言うと謎な人だ。

*******退魔神学園は日本を守る特殊能力者を養成するために古くからあった秘密の機関が母体だ。学園都市が治外法権になった理由はその存在を脅威とする周辺諸国やその手先の様々な団体、組織の攻撃から自衛するためだ。
日本国の法律では魔導師や妖術使い、超能力者による攻撃を撃退する事が出来ないからである。
現在、時の政権が学園都市の秘密を金のために外国へ売ろうと様々な政治的圧力を掛けているが、治外法権に阻まれて上手く行っていない。
その理由として、学園内の食糧は魔力によって維持される専属農場で賄われおり、またとある財閥が全面的に支援している事が挙げられる。


ACT3 次はよっくん・Kさんです よろしくお願いします^^

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