莉紗「…ついに、決戦の日が明日となった…!」
リビングにて、莉紗が何かを始める
莉紗「お前達、明日は魔王軍との決戦の日だ。しっかり休んでおけよ…」
リビングの出口まで行って、出口で立ち止まる。
莉紗「必ず…大魔王を倒して見せる…ッ!」
和也「姉ちゃん、出口で止まるのはやめようか」
第3話「編集と大魔王シュバルツ・D(ドランバルト)・ゲーティア」
玄関前に移動した姉ちゃん。玄関前には、何か可愛らしい顔が 書かれたバナナの皮が転がっており、姉ちゃんはその隣に座る
莉紗「どうした、バルムンク。眠れないのか?」
バルムンクとは、恐らくそこに転がってるバナナの皮のことであろう
バルムンク「あぁ……」
バルムンクの声は、姉ちゃんが裏声で出してます
莉紗「…不安なのはわかるさ…私だって、明日死ぬかもしれないと思うと…だがな…」
バルムンクから、目の前の夜景(という名の玄関)に視線をうつす
莉紗「仲間を信じて戦おうと思うと、その不安が少しでも無くなるよ」
今さらだけど何コレ
バルムンク「…はは、そうだな。お前らしいよ、それ」
バルムンク「俺さ…この戦いが終わったら、アイツに告白しようと思うんだ」
莉紗「アイツって…同じ兵団のソフィアのことか?」
バルムンク「あぁ…普段は告白するほどのような勇気はないけど…戦いが終わったら、できるような気がしてさ」
莉紗「そうか…頑張れよ」
すると、ピンポーンという音が家の中で響く。誰かが来たみたいだ
莉紗「…っ!!まさか、大魔王が…!!」
和也「いや違うだろ。」
俺が玄関を開けて、誰が来たのかを見る
「どうも、こんにちは〜」
和也「あ、霧島さん」
霧島さんがいた。霧島さんとは、姉ちゃんの担当編集の女性だ。恐らく原稿を取りに来たんだろうな
莉紗「大魔王…シュバルツ・D・ゲーティア!!まさか、今奇襲をかけてくるとは!!」
和也「サブタイ見て「え、誰?」って思ってたけど、大魔王って霧島さんのことだったんかい!」
姉ちゃんは構えた状態で大魔王シュバル…じゃなくて、霧島さんを見ている。霧島さんは
霧島「順調に進んでるみたいですね?」
と、ニコニコ笑いながら言う。
和也「はい…いいことですけど、あんまり巻き込まないでほしいですね…」
莉紗「くそ、ここで戦うしかない!」
バルムンク「待て、イリア!」
イリアとは、恐らく姉がやってるキャラだろう
バルムンク「ここは、俺一人に任せろ…お前は、仲間を集めて急いで戦う準備をしろ!」
莉紗「無茶だ、バルムンク!!ここで一人で戦うなんて、命を捨てる行為と同じだぞ!!」
和也「おいまたバナナの皮との会話パートに入ったぞ」
バルムンク「俺は大丈夫だ…こんなところで、くたばるような男じゃねーよ。早く行け!」
バルムンクは、武器を構えて魔王軍に突っ込んでいく(設定)
莉紗「バルムンクッ!!」
霧島「では、お邪魔します」
霧島が靴を脱いで上がって、そのまままっすぐ進む…前には、バルムンクが
あれ?霧島さんバルムンクに気づいてなくね?あれだけ姉ちゃんが一人二役を演じてたのに、気づいてなくね?
霧島さんはまっすぐ進み、バルムンクの前まで。そして…
つるんッ
まるでマンガのような滑り方で、霧島さんは滑る。そこまで勢いがついてた訳でもないのに霧島さんは宙を舞い、頭から落下する。バルムンク(笑)は姉ちゃんの足元まで飛んでいく
莉紗「…………バルムンクゥゥゥゥゥッ!!!」
あ、やっぱり霧島さんを心配しないのね
莉紗「バルムンク!しっかりしろ、バルムンク!!」
バナナの皮を抱き、必死に呼び掛ける姉ちゃん
バルムンク「ィ…リ…ァ……か…?」
ここからまた、バルムンク(笑)との会話パートに入る
莉紗「そうだ、しっかりしろ!」
バルムンク「俺は…もう……ダメみたい…だ…………グフッ」
莉紗「死ぬなぁ!この戦いに勝って、ソフィアに告白するんだろ!?」
バルムンク「悪い…無理みたいだ…………なぁ…イリア……これを…」
バルムンクは、イリアに小さな箱を渡す。その中には、指輪が入っていた(という設定で、姉ちゃんはバナナの皮を剥くときに折るところを握ってる)
バルムンク「これを…ソフィ…ァ…に……ギョハァァァッ!!」
莉紗「バルムンクッ!!」
バルムンク「…お前…が……隊……長……で…」
莉紗「おい…?」
バルムンク「よか…っ………」
莉紗「待て……」
バルムンク「…………」
莉紗「…」
バルムンク「」
姉ちゃんは、その場にそっとバナナの皮を寝かせる
莉紗「バルムンク…必ず、仇をとるからな…!!」
そう言って、リビングの方へと走っていった
さて、俺は姉ちゃんがバルムンク(笑)との悲しき別れをしている間、ずっとほったらかしにされていた霧島さんの安否を確認
和也「だ、大丈夫ですか?霧島さん」
霧島さんは倒れた状態から、ゆっくりとこちらに顔を向け
霧島「大丈夫ですよぉ…ふひひ……これも、ご褒美ですよねぇ…ふへへへへへへ〜」
と、幸せそうな顔で言う。言い忘れたが、霧島さんはどうしようもないドMだ
俺達もリビングに向かう。ふと床を見ると、バナナの皮が大量に設置されている
和也「なんで騎士団バナナの皮オンリー!?あ、よく見たら右上にみかんの皮がある!あれがソフィアか!!」
姉ちゃんがその騎士団に近づき
莉紗「ソフィア…バルムンクが、これを…」
と、あの折るところを渡す……
バナナの皮に
和也「それがソフィアかぃ!じゃあ、あのみかんの皮はなんだ!しかもソフィア腐りかけてんだけど!!」
霧島「わぁぁぁ…!これもご褒美ですよねぇ!」
と、嬉しそうに霧島は前に出て、律儀に一つ一つのバナナの皮で滑る。
つるんッと滑っては頭から落下し、起き上がってはまたつるんッと滑っては頭から落下。七転び八起きとは、こういうことを言うのだろうか
莉紗「みんなぁぁぁぁぁ!!!!」
イリアは、涙を流して叫ぶ
和也「泣くようなところなの?鼻で笑うところの間違いじゃないの?」
すべてのバナナの皮で滑りきった霧島さんは、みかんの皮を手に取る
莉紗「アンドレアー!!」
みかんの皮のことですね。
霧島「これはぁ…こうですかねぇ…?」
霧島さんが、みかんの皮を目に近づける。
え、まさか…………
莉紗「やめろー!!!」
霧島「…………」
みかんの皮から汁を出して、それが目に降り注ぐ
霧島「ギャアアアアァァァァァァァッハッハァァァァァァァァァァァィ★」
※絶対真似しないでね
莉紗「お逃げください、姫様!」
キッチンのテーブルの上にあるバナナケーキが姫らしい。あ、あれ作ったからあんなにバナナの皮があったのか
霧島「猫宮先生〜、原稿はどこですかぁ?」
猫宮先生とは、姉のペンネームである。フルネームは「猫宮 鈴華」
莉紗「大魔王は、この城に隠された「大いなるクリスタル」が目当てか…!」
読んでる皆さん、もう終わるんでもう少しつきあってやってください
莉紗「わかった…!今取ってくる!だから、姫に手は出すなよ!…あ、和也〜。霧島さんにこのバナナケーキを切ってお出ししてっぽい」
どっちだよ
和也「はいはい…」
俺は姉ちゃん特製のバナナケーキを切って、霧島さんに
霧島「あ、ありがとうございます!」
早速フォークでケーキから一口分を切り、それを口に含む
霧島「とてもおいしいです、やはり先生の作った料理はおいしいですねぇ!」
和也「そうですね。まぁ、姉の特技の一つですからね」
ちなみに、姉ちゃんは小説の影響で特技を手に入れた。だから、腐るほど特技を持ってる
莉紗「取ってきたぞ!姫には、手を出して…な…………」
姉ちゃんが、持っていた原稿を床に落とす。
莉紗「…貴様あぁぁぁぁぁっ!!!!」
和也「いや、姉ちゃんが出せって言ったんだろ!!」
莉紗「貴様…よくも………!!」
姫の遺体(ワンホールのケーキ)に近づいて、抱く。霧島さんは、原稿を回収して確認
莉紗「姫!姫ぇ!…クソッ!!もう冷たくなってる…」
そりゃそうだろうよ、ケーキなんだし
霧島「先生、完璧です!次回作は、もうすぐ出来そうですね?では、お邪魔しました〜」
和也「あ、はい。」
莉紗「…その日、イリアは…すべてを失った」
つづく
おまけ
第3.5話「本名と偽名」
霧島「一つ思ったのですが、この小説ではキャラの名字や名前だけしか書かず、フルネームは明かしてないですよね」
和也「そう言えば…そうですね」
霧島「でもそれって、キャラに失礼だと思いますよ。私にだって、ちゃんと名前があるのに」
和也「そういえば、霧島さんのフルネーム知らないな…なんて名前なんですか?」
霧島「霧島・U・メス豚です!」
和也「絶対本名じゃねーよな!!「U」って何だ!」
霧島「薄汚いです」
和也「どんな名前だ!!」
霧島「この名前が目次欄に掲載され、皆さんに私の名前が明かされたら!町で会う度に「あ、薄汚いメス豚だ!」と言われるに違いない!さぁ、皆さんも!言うのがダメなら、コメント欄に!」
和也「みんな、今すぐ戻るボタン連打しろ!!」
おまけ、終わり
■ 執筆
・タグは<b><i><u><s><big><small>が使えます。