連載小説
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最終日、朝7時

僕と遥さんは、朝から逃げ道を探していた。昨日の夕方も探していたが、見つからない…

遥「どうしよう…」
優「どこか、見つからない逃げ道は……」
ふと、床を見ると…四角い蓋がある…もしかしたら、地下通路の入り口…?

優「……」
優はそれに近づいて、ロック解除の部分を掴んで入り口の蓋を離す。そこには、地下通路のような物があった。

優「見て!ここに地下通路があるよ!」
遥「本当!?」
遥さんもその通路を覗く。どこに繋がってるかわからないため、その通路に降りることに

遥「電気はないね…」
優「大丈夫、懐中電灯はあるよ。」
懐中電灯をつけて、その通路を歩く。古いロッカーや、段ボールが置かれている…使わなくなった物だろうか?数も少ない…最近ここを使ったと思われる

遥「学校にこんな通路があったなんて…」
優「一体どこに繋がってるんだろ…」
しばらく歩くと、階段がある。懐中電灯で照らすと、来たところと同じ蓋がある。
そこを開けると、どこかの教室に出る。

遥「教室?どこの教室だろ…」
窓から外を見る。隣に高等部が見えたから、おそらく中等部だろう

優「中等部に繋がってるかみたいだね…この通路、使えるかもしれない!外に出ることもないし、安全に移動できる!他にも地下通路があるかもしれない、探そう!」
遥「…うん!」

他の通路を探す。探すと、中等部から小等部に繋がる通路があった。
僕等は高等部の教室に戻って、作戦を立てることにした。













優「あのだるまの言うことが正しかったら、11時に始まる……あの地下通路がある教室の廊下で待とう。」
遥「あの教室で待つんじゃないの?」
優「外の様子を見るためだよ。麒麟は見えるだろうし、近くに猿と狼が居ないとわかれば大丈夫だよ」
遥「そうだね……けど、もしだるまが言ってたことが嘘だったらどうする…?」
このゲームの起こした奴の仲間が言ってたことがだけど、根拠はない……

優「可能性はあるね…じゃあ、今から準備しよう」
僕等は地下通路のある教室に行った。














ずっとあの教室で待っていたが、始まらない。今は夜の10時55分……だるまが言ってたことは、本当だったようだ。僕等は教室の外の廊下で待機していた…

遥「…ねぇ、優くん……もしこのゲームに生き残れたら……どうするの…?」
優「…このゲームに生き残れたら…か……」
もうこの学校にいるのは、僕等だけだ……先生も、他の生徒もいない……この学校は終わりだろう

優「そうだね……このことを親に伝えて、転校するかな…」
遥「そっか…」
優「遥さんは、どうするの…?」
遥「……私は…」
遥さんはうつむく………

優「……遥さん…?」
遥「…私は……優くんと、一緒にいたい…」
遥さんは顔を上げて、頬を赤く染めてそう言った…
僕は遥さんを抱き寄せた
優「…僕もだよ、遥さん………」
遥「優くん……」
そして僕等は、静かに口づけを交わした……

時計を見ると、もうすぐ11時になろうとしていた…
優「…必ず生き残ろう…遥さん!」
遥「うん…!」
そして、11時になった











外を見ると、麒麟が中庭にいた…狼は隣の校舎の廊下を走ってて、こちらには気づいていない…
猿は見えるところにはいないが、近くにはいないはず……
僕と遥さんは地下通路に降りて入り口に蓋をする。僕は遥さんの手を引いて歩く…
おそらく、ここには影は来ないと思う……来たとしても、猿が来るだろう

通路に猿がいる様子はない。僕は出口の蓋を開けて、周りの様子を見る。安全だとわかると、遥さんに合図して、地下通路から出る。
優「狼と麒麟は、高等部にいるだろうね…猿はどこだろう…」
僕等は外の様子、中を確認しながら地下通路のある教室に向かう。
その教室に着き、確認して地下通路に入る。

遥「ねぇ優くん、地下通路の真ん中の方で、やり過ごそうよ…動き回ったら、見つかるかもしれないし…」
優「そうだね…そうしよう」
僕等は地下通路の真ん中で止まる。もしかしたら影が入ってくるかもしれないため、警戒している…





あれから、どれくらい時間が経ったのだろう…もう何時間もいる気分だ
腕時計を見ると、11時50分になっていた

優「遥さん、遥さん」
遥「どうしたの?」
優「あと10分だ…10分で終わるよ…」
遥「本当!?」
嬉しそうな表情だ

優「うん!このままここでやり過ごそう!」
遥「うん!」
そう言った直後、中等部側の地下通路の入り口が開く音が聞こえる
「…!?」
猿が入ってきた

優「逃げよう、遥さん!!」
僕は遥さんの手を引いて、小等部の出口まで走る。猿は当然追いかけてくるが、距離はあるから追い付くことはないだろう
僕等は急いで出て、地下通路の入り口を塞いで上に机や椅子を置いて、開けられなくする。

残り2分…学校の裏から外に出て逃げることにする。
小等部を抜けようとしたとき、後ろから麒麟が追いかけてきてることに気づく。かなり距離はあるから、まだ追い付かれない

残り1分きった…!あともう少し…!
必死で走り続けた…生きるために……約束を守るために…

10…9……6…!
麒麟が、もう真後ろに来ていた

間に合え…!あと2秒……1…!!

ピッピッ
僕の腕時計が、0時になって電子音が鳴る。もう影達が止まって、消えるだろう
優「やっ…た…!やったよ、逃げ切った…!!」
僕は笑顔で、振り返った。
























遥さんが、麒麟に貫かれていた。


優「…!?」
遥「…ヴッ……ァ……」
遥さんは、吐血した。貫かれたところから、血が流れ出ている
麒麟は遥の体から頭を抜くと、その場に止まる。5秒経って、終了のサイレンが鳴り響いた。

優「な、なんで……なんで…もう、終わったはずなのに……」











優「あれ、僕の時計の秒針がズレてる…少し早い なぁ……」
京也「おいおい、細かすぎだぞ優?」









優「……!!」
思い出した…僕の時計、秒針が少し早かったことを…

ピーンポーンパーンポーン

誰もいないはずなのに、放送が入る

『授業終了時間です。この授業で、見事生き残った方は…相川優さん、あなた一人です。おめでとうございます。一時間目の授業をクリアした方は、二時間目の授業がありますので、頑張ってくださいね?これで、一時間目の授業を、終わります』

ピーンポーンパーンポーン


優「なんで…なんで……!!」



僕は涙を流した…その涙が、遥さんの頬に落ちる…
僕は、京也との約束が守れなかった……一緒にいようっていう願いも…叶えられないで、一人だけ生き残った……!

優「…くそおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!」






一時間目『動物影鬼』

一時間目が行われた学校で、無事終了された方を記載しています。(全国)

〜高校〜

相川 優
赤沢 春雄
天宮 晴
今井 祐介
江島 絢香
大谷 茂
木下 由美
児島 祐太郎
大蓮 冴子
夏川 恵
藤島 卓也
三原 忍


〜中学校〜

上田 真央
丑三 康介
奥村 孝史
神田 実
小林 勇太
笹木 洋子
白石 優子
富川 卓真
山本 健
吉川 友紀
若林 健次郎


〜小学校〜

小田 秋枝
徳島 信之助
中拓真 卓摩
春宮 鈴
吉田 勇斗
渡辺 汐里


次回、『欠席者編』
15/07/13 11:46更新 / 青猫
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■作者メッセージ
おはこんばんちは、青猫です!遂に、遂に、『_____』(アンダーライン)終わっちゃいましたよー!!わー!!!あ、うるさい?ごめんなさい←
ここまで読んでくれた皆さん、本当にありがとうございます!!閲覧数とか見て、本当びっくりしましたよ!本当に、感謝感激です!
あと皆さん、6日目のだるまが言ってた『7日目にミニゲームをしない理由』、わかりましたか?今までのゲームを振り返ればいいって言ってましたね

だるま落とし→真剣白羽取り→リンボーダンス→相撲→うしろのしょうめん

わかりましたか?そう、しりとりで繋がってるんです!最終日にしなかった理由は、最後が「ん」で終わったからですね

と、まぁ無事に終わりました!次回はまたファンタジーを書くので、よろしければそちらも読んでくださいね!
ではでは♪

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