連載小説
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第7話



朝食を食べ終えた二人。レイは、窓の外を見ている…………


レイ「…そろそろ、出た方がいいかもね……」
外を見ながらシグナに伝える。町で気絶させた研究員に気づいて、こちらへ向かってきているかもしれないからだ


シグナ「はい……ここにある食料は持っていきましょう。」
レイ「うん…」
その建物の中にある袋に、食料を積める。積め終わると、シグナはそっと扉を開けて外の様子を伺う


シグナ「…まだ追ってきてない様子です。今のうちに行きましょう」
レイ「うん、わかった…」
外に出て、走り出す。昨日いた町とは、別の方向へ…
鋼色の空の下を、二人は走り続けた




















森の深いところまで来た二人。木の近くに座って休んでいる……


シグナ「…出口は、少し走れば着きますね……」
レイ「……ねぇ…シグナ……」
少しうつ向いて、名前を呼ぶレイ。シグナは振り返って


シグナ「どうしたのですか、レイ…」

レイ「………ボクって、普通じゃないよね…」
シグナ「え………」

レイ「体からはチェーンとか銃口は出るし…皮膚を鉄に変えられるし……あの町にいた奴等は、そんなことできないだろ…?」
シグナ「はい…ですが、何故そのようなことを……」

レイ「怖いんだ……」
シグナ「…………」
レイは、うつ向いたまま話続ける


レイ「これから外で暮らしていくなら……もしボクの体からチェーンとか出たら……他の奴等が、ボクをどんな目で見るか……考えただけで、怖いんだ…」
シグナ「レイ…………」

レイ「ボクがこんなのだから…っ………ずっと、空が鋼色のままなのかな………」
泣いている声で話すレイ。するとシグナは、そっとレイを抱いて


シグナ「大丈夫ですよ、レイ。この世界に、普通の人間はいません………それに、レイが普通じゃなければ、私も普通ではありません」

レイ「シグナ………」

シグナ「空が鋼色なのは、天候が悪いからですよ……いつか、青い空を見れる日が来ます」
レイ「…っ……本当…?」
涙を流しながら、シグナを見上げるレイ。シグナは、優しい笑みを浮かべる。

シグナ「はい、本当です。ですから、その時は…二人で見ましょう」

レイは涙を拭いて、笑顔になり
レイ「…うん!」
と言った


この時、レイの後ろにいる「何か」の気配に気づいたシグナ。ゆっくり、上を見上げる……


















熊がいる


シグナ「…!」
レイ「…どうしたの、シグナ…?」
シグナの様子がおかしいことに気づくが、後ろに熊がいることは気づいてない。

熊が手を振り上げ、レイを爪で斬ろうとしている……


シグナ「危ないっ!」
シグナは、前に出た










熊に引っ掛かれたシグナは、倒れてしまう……

レイ「…シグナ………?」
倒れているシグナの名前を呼ぶが、返事が返ってこない……


熊「グオオオォォォォォ!!」
今度こそレイに攻撃しようと手を振り上げる熊。レイはその熊を睨み、手を前に出す


ドォンッ!!!
ドォンッ!ドォンッ!ドォンッ!




ドサッ




レイの掌からは銃口が出ていて、銃口からは煙が出ている………撃たれた熊は、真っ赤な血を流して倒れている

掌の銃口が消えて、シグナを再び見る

レイ「シグナ…ねぇ、シグナ…!起きてよ…ねぇ…っ…!」
今にも泣き出しそうな顔で、シグナの体を揺するレイ。シグナは、反応がない……


レイ「どうしよう………ボクは…どうしたら…………」
静かに涙を流してるレイ。どうすればいいかわからない……シグナはアンドロイドだから、医者に持っていく訳にもいかない…機械に詳しい人しか、直せない……


レイ「…………」
涙を拭いて、シグナを自分の背中におんぶして、走る……

レイ「シグナ…待ってて…!必ず、直してあげるから…!」

レイはシグナに伝えて、森を抜けた






つづく
15/01/11 00:21更新 / 青猫
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