読切小説
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あけましておめでとうって言いますけど、どの辺がおめでとうなのでしょうか?






青猫「あー…どうしよ……。」
何やら落ち着かない様子でその辺をウロウロしている青猫。いや、普段から落ち着きはない上、今の絵面は青いジャージを羽織ってる不審者がうろうろしてるようにしか見えない。

アリス「どうしたの、さっきから落ち着きないみたいだけど……というか、年明けの収録は?いつもなら、文が司会してるのに。」
青ジャージの不審者を見かけたアリスが、近くまで歩み寄ってそう尋ねる。そう、毎年毎年文がこのイベントの総合司会を担当しているのだが、珍しくこの場に姿がない。


青猫「うん、正しくそのことで悩んでるんだよ…ほら、あれ見てみ?」
アリス「あれ?」
青猫がある方向を指差し、アリスがその方向を見る。そこには、サングラスをかけて長いおしゃれなマフラーを巻いた文が、まるでスターみたいな雰囲気を醸し出しながら周りに新年の挨拶をしてる。

アリス「うわ……何あれ…。」
ちょっと引いてるアリス。
青猫「ほら、最近新しい物語が始まったじゃん?東方二次創作の…」
アリス「東方双影録のこと?」


【東方双影録とは】
去年から書き始めた東方二次創作。青猫がなかなかアイディアがまとまらず放置していたが、ようやくアイディアがまとまり書き始めた、シリアス物。珍しく、ギャグがほとんどなく割りと力を入れてる作品だ。
その作品の主役に抜擢されたのが、射命丸文。長年ここのキャラ達のまとめ役をやっていたが、なかなか主役の小説を書いてもらえなかった鴉天狗だ。(青猫曰く「ネタにしづらかった」)
大体文の二次創作と言えば取材系だが、力が入ってるバトル物に出演、それに加えて初めて主役の作品ということもあり、現在めちゃくちゃ調子に乗ってる。


アリス「なるほどね…そういえば長い間言ってたわね、そんなこと…。私が機械人形に出たことも、めちゃくちゃ羨ましがってたわね…。」

文「あぁ、お二方。あけましておめでとうございます、いや〜今年はいい年になりそうですね〜!」
うわ、面倒くさ

アリス「うわ、面倒くさ」
青猫「ちゃんアリ、ナレーションと同じツッコミはやめようか。」

青猫「それより文ちゃん、わかるよ?結構力入ってる作品が、自分の初主人公作品n」
文「いやぁ、そうですよね!皆さん、やっぱその話題になりますよねぇ!」
コイツマジで面倒くせぇ

青猫「コイツマジで面倒くせぇ」
アリス。「ナレーションと同じツッコミしない」

青猫「とりあえず、グラサンとマフラー取ろうか。」
文「いやですよ!これがなくなったら、私の膨大なスター性が露になって、皆さんがそれに耐えきれな」
アリス「嫌がり方が独特ね!!いいから取りなさい!!」
文「やー!!外すのやー!!」
青猫「ちょっと!暴れないでって!何歳だよ文ちゃん!」
文「2ちゃい。」
二人「嘘つけ!!!」
※なんとか外せました。

青猫「とりあえず、面倒くさい奴から面倒くさいグラサンマフラー外せたから…収録始めようか…。」
この時点でかなり疲れてる三人組。果たして、今回の収録はどうなるのか…?






アリス「もう、私が司会なのは固定なのね…。」
いつものように司会…というより語り手ポジションのアリス。今回は、隣に…エレンが立ってる。
エレンは、今連載中の「東方双影録」の敵である上級天使。だが、ちょっとギャグ要員になりつつある。

アリス「いや、敵同士を司会にするの?…しかも、こういう催しに初登場の子だし…」
エレン「……?」
あ、この子状況が理解できてないわ…。

文「さぁ、浦島太郎をやります!はてさて、どう物語が動くのか…楽しみですね!」
現在、アリスがエレンに状況を(英語で)説明中。エレンや天使達は英単語しか喋らないため、今回は特別にエレンの発言を日本語に吹き替えをします。



エレン「浦島太郎の、はじまりはじまり」
アリス「むかしむかし、あるところに浦島太郎という青年がいました。」
ここで舞台に、浦島太郎役のザックが登場。

アリスoO(なんか、初めてまともな人が主人公に任命されたわね…。)
エレン「浦島太郎は、いつものように海辺で釣りをしようとしました。そこで…」


















「Die」

「Die」

「Die」


エルナに向かって、天使三体が発砲中。エルナは防壁ですべて防いでる

エレン「子供達が、亀をいじめていました。」

アリス「殺しにいってるじゃない!!!」


アリス「いじめてるどころじゃないわ!!あのヤバい威力の銃で撃ってるし!あと去年から思ってたけどあの子(エルナ)ただ者じゃないわね!」
エルナは表情ひとつ変えず、天使達を見下ろしている。

ザック「……。」
ザックは立ち去った。


アリス「助けなさい浦島ぁ!!!」



エルナ「……。」
エルナが、圧力をかけながら天使達を見下す。すると、天使達の手が止まり、まるで幽霊にでも会ったかのような悲鳴を上げて逃げていく…。

エレン「亀は、持ち前の気迫で事なきを得ました。」
アリス「今更だけど、主要人物が全く喋ってないわね…。」



エレン「一方その頃、青猫は」
アリス「え?」


青猫「いえ〜い、これ前から気になってたんだよね〜♪」
キャラ○キ解体図鑑チョコを買ってきたようで、上機嫌に袋からチョコを出す。
キャラパ○解体図鑑チョコとは、解体図みたいな絵柄が印刷された板チョコを、うまく割って解体して遊ぶチョコのことです。
アリス「いや、何してるの!何で劇場の途中で製作者側を見せるの!」

青猫「ぅぅぅううおおらああああああ!!!!!」
チョコに全力で拳をぶつける。チョコはバラバラに、解体線とか関係なく、バラバラに。
青猫「っしゃあ!!」

アリス「遊び方が違うっ!!!」


青猫「濃いイチゴ味。」
まだ食べてもいないのに、味の感想を言う…が、ただ単にCMの真似をしてるだけである。



エレン「次の日、浦島の家にて」

ザック「さて、今日も釣りをしに行くかな。」
ガラガラッ

エレン「戸を開けると、そこには亀がいました。」
アリス「なんで亀が浦島の家の前まで来てるのよ!!海から顔だす程度でしょ!!」
エルナ「浦島さん昨日はありがとうございましたお礼に竜宮城へ招待します(棒)」
アリス「お願いだからもうちょっと感情込めて!」




エレン「浦島は亀と共に海の中へ潜り、深い海の底に建つ竜宮城へと目指します。そして、道中心優しい海の生き物達と、出会います。」
ベリアル「おーい、エルナー!何をやってるのじゃ〜?」
アリス「全然心優しくないのがいるんだけど、一匹鮫が混ざってるんだけど!」

エルナ「…浦島さんを(しぶしぶ)竜宮城へ案内しています。」
ベリアル「そんなことより、ワシ等の目的のために歩を進めるぞ!」
今劇場の真っ最中だが、お構いなしなベリアル。去年もやりたい放題やっていた。

エルナ「いえ、仕事ですし…。」
ベリアル「何を言うか!歩を進めるのも立派な仕事だぞ!」
エルナ「いえ、今はこちらを」
ベリアル「いーや!ダメじゃ!ここで立ち止まってはならん!」
エルナ「いえ、ですかr」
ベリアル「ほれ、早く行くぞ!!」
エルナ「黙れ」

ベリアル「は、はい…」
威圧で黙らせた亀ことエルナ。ザックは内心「帰りてぇ…」と思っていた…。


エレン「そして浦島は、竜宮城の目の前までやって来ました。一方その頃、青猫は。」
アリス「また!?」

青猫「やっと大掃除終わった〜!!」
宅配物「宅配便でーす。」
アリス「いや、なんでいちいち製作者側を映すの!誰も得しなi待って宅配物が喋ってなかった?」

青猫「やった〜!頼んでた物が漸く届いた!」
段ボールを置いて、普通に開ける…と思いきや、派手に破きまくって開封する。細かく破っていき、もう中身が出てるにも関わらず段ボールを破りまくる。破る行動を終えた頃には、部屋中破いた段ボールが散らばっていた。

アリス「(大掃除後の)部屋散らかすなぁ!!」



エレン「そして浦島は、竜宮城にいる乙姫と出会います。」
乙姫役のミミが現れる。

ザック「あ。」
ミミ「あ。」
お互いの顔を合わせると、固まってしまう。二人とも、頬が赤い。

アリス「そういえば、付き合ってるんだっけ…あの様子だと、お互いの役回りを聞いてないわね…。」
エレン「一方その頃、青猫h」
アリス「それはもういい!!」


ミミ「よ、よよ、ようこそ浦島様ぁ!」
めちゃくちゃ動揺してる。

アリスは思った。
あの二人、めちゃくちゃ動揺してるわね…まともに役を演じられないと思うんだけど……いや、いつもめちゃくちゃなんだけど…。まぁでも、今日は暴走するような人はいないから、いつもみたいにh
ベリアル「エルナー!!」


アリス「そうだった!!今回この人がいるの忘れてた!!」

エルナ「しつこいですね…。」
ベリアル「ワシは引き下がらんぞ!無理矢理連れていく!!」

あぁ、今回もいつも通りになる…そう思った時

文「待ちなさーい!」
文が舞台に現れる。
ベリアル「なんじゃ、カラスごときが邪魔する出ないわ!」
文「ふふふ…そう言ってられるのも、今のうちですよ!」
文の手には、黒い思念石が握られている。

アリス「あれは、思念石…!そうか、あれならあの化け物二人とも戦える!」

文「さぁ…本気でいきますよ…!」
思念石を前に突き出す。文の影が鴉の形に変わり、浮き上がる…
























































ことはなく、何も起こらない。

文「…あれ…?」
もう一度やろうとする…が、やはり何も起こらない。
文「なんで、なんで反応しないんですか!?」

エレンが台本の端に、小さく何か書いてあるのを見つける。
エレン「[追記]ここで文ちゃんが派手に戦い場を納める…予定だったけど、敢えて偽物の思念石を渡したら面白いんじゃない?って思ったから、本物とすり替えておいたよ。文ちゃん、ファイト☆ by青猫」



文「なにしてくれるんですかあああぁぁぁぁぁ!!!!」


文ちゃん、珍しく全力ツッコミ
文「文ちゃん、ファイト☆じゃありませんよ!!これがあればあの化け物二人組を止められると思ったのに!!どーするんですかぁ!!」

ベリアル「おい、カラス。」
文「…!!」
ベリアル「お前、さっき本気で行くと言ったの?ほれ、早く見せてみろ。」
文「い、いえ、あの…」
エルナ「化け物二人組が、しっかり見てあげますよ…本気でね。」
文「あ、あの…だ、誰か助けてー!!」

※結局、いつも通りになりました。
アリス「今回ばかりは、同情するわ…。」



























『エレンの幻想郷滞在記録』(番外編)
なにやら今日は、自分の立場等を忘れてイベントをやるとか聞かされて、半強制的にここへ連れてこられました…現に、敵対してる先住民達がいるわけですが…。
しかも、内容は…茶番にも程がある。しかも最後、巻き添えを喰らいそうになりました……おまけにBlack crowは、数秒後には復活している始末。「今回はギャグ回だから」と言われましたが、何のことかもわかりません。

それで今、後片付け中です。


幽香「あら、あなたが新入りね。」
裏方?に話しかけられました。確か、風見幽香…でしたっけ?
幽香「どう?結構此処、収録が大変でしょう?」
何を言ってるでしょう、この芽キャベツ頭は。

幽香「そういえば…あなたと、どこか似てるような気がするんだけど…何故かしら?」
何を言ってるでしょう、千切りキャベツみたいな髪型をして。…ですが、私もそう思います。何故でしょうね…?


という感じで、収録とやらが終わって帰ってる最中です。一生分、苦労した気がします…。
…あぁ、この国では…この日に特別な挨拶をするんでしたね。

あけましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします。



あけましておめでとうって言いますけど、どの辺がおめでとうなのでしょうか?


21/01/01 00:01更新 / 青猫

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