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あの事件から1ヶ月の月日が経った。
僕、相川優は……僕達が通っている学校で、突如行われた…"授業"と称される殺人ゲームに参加させられた。次々に死んでいく仲間達。その状況下でも、なんとか協力して、生き残ろうとした……けど、鬼達の進化により、その希望が断たれた。
最初は協力しなかったが、仲間のためにと協力して…身代わりになって死んだ者、その者に好意を抱いて、攻撃を試みるも、無残に殺される者、僕の目の前で、命を絶った幼き者、唯一の家族を失い、自殺した者、最後の最後までサポートをして、死んだ者、僕の背中を押して、希望を与えて死んだ者…………そして……一緒に生き残ろうと誓って、最後の最後で死んだ…僕の、最愛の人……
…この1ヶ月、そのことを忘れたことがない。今でも、鮮明に覚えている。みんなが死んでいく光景を………
僕は、両親にこのことを話した。けど、両親は……信じてくれない。それどころか、まるで昨日まで、ずっと一緒に居たかのような態度だ。両親の話だと、僕等の学校は廃校して、もう僕の転校先は決まってる…と。
何がどうなってるのか、わからない。わからないまま、転校先へと向かった…
先生「突然だが、今日は転校生がいるぞ。入ってこい」
教室内で、各々どんな人かと予想して盛り上がっている。僕と、あともう1人…女子生徒は中に入る。
先生「じゃあ、自己紹介を頼むぞ。」
優「…相川優です。趣味は読書と音楽鑑賞、よろしくお願いします。」
咲夜「…戸上咲夜です。」
僕は、直感で思った。恐らく、彼女も…僕と同じ、あの授業の生き残り……
指定された先に着く。隣の男子生徒を見る。
「…あ…ども……」
そう言って目をそらす、隣の眼鏡をかけた男子生徒。
転校以来、僕は学校に行ってない。とても、行く気になれない……学校に行くと、あのことを思い出す……もう、思い出したくない………
咲夜「………」
ホームルームが始まる前、優の席を見る。今日も来てない……そう思っていた。
きっと、自分と同じ…あの授業を受けた者に違いない。あのアナウンスで、2時間目…とか言ってたが、何のことか分からない…できれば、情報を聞きたいのだが…
そう思っていると、ホームルームのチャイムが鳴る。
先生「おーいお前らー、席につけー」
先生が教室に入って来て、先ほどまで話していた生徒達は自分の席に戻る。HRを始めるのかと思いきや、先生が何かを教卓の上に置く。
先生「おい誰だー、こんな辺な時計を持って来たのは。」
と、教卓の上に置かれた一見目覚ましくんに似ている時計を指差す。半分が目覚ましくんのような顔、もう半分が、ゾンビのような顔をしている。
先生「女子が持って来たのか?」
先生がそう言うと、女子生徒1人が「せんせー、そんな気持ち悪いのは持って来ませーん」と言う。
先生「半分は可愛い顔してるんだけどなぁ…」
みんながその時計について、各々話している…だが、咲夜だけは違った。咲夜は、その時計を目を見開いて見ている…驚いたような表情だ。
「…どうしたの?」
隣の席にいる女子生徒…神崎玲奈が、咲夜に声をかける。
咲夜「…いや…別に………」
先生「じゃあ、他のクラスか…ん?なんだ、このボタン」
先生が、その時計の背中にある大きなボタンを見つける。そのボタンには「スタート」と書かれており、何気なく押してみる。
ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ
突如、時計から大きな音がなる。その時計から手足が生えており、立ち上がる。生徒達は驚いた表情で時計を見ている。
時計「今から、授業をはーじめーるよー♪」
時計が喋り出し、1番近くにいる男子生徒の方を向く。
時計「ゾンビーム!」
時計の口から吐かれた緑色の液体が、男子生徒の眉間に命中する。
生徒「うわ、なんだこれ!」
生徒が袖でその液体を拭い
時計「ルーレット、スタート!!」
その時計の、一本しかない針が高速回転し始める。徐々に針が回る速度が遅くなっていく。
時計「ゾンビさーん、ゾンビさーん、いーま何時♪」
ある程度速度が下がってもう止まろうとしてる時に時計がそう言う。すると針は、ゾンビ顔の方で止まる。
時計「イマ…夜ノ9時………」
ゾンビのような声でそう言った後、教卓から降りて教室から出ていく時計。
先生「…なんだったんだ、あれは……」
全員、出て行った時計の方を見ている…先生は生徒達の方を向き
先生「あの時計は、先生達がどうにかするから、HRを……ん?」
先ほど、あの時計に妙な液体をかけられたせいとが、様子がおかしいことに気づく。やけに息が荒い
先生「おい、大丈夫か?」
先生が、生徒に近づく。生徒はゆっくりと顔を上げる…
生徒「あ"あ"あ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"…………」
つづく
18/04/22 16:45更新 / 青猫