連載小説
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映姫の手中にある、緑のDeathNote…まだキラによって裁かれていない罪人で、このノートが本物かどうかを試した…その結果、このノートは本物だと判明した。このノートを使って、必ずキラを裁く……そう、固く決意した映姫。
だが、どうやってキラを割り出すかはわからない。キラの手がかりは一切無い…下手に動けば殺される。それに、ノートを所有してるとわかれば、どうなることか…
なるべく隠密に、キラの正体を割り出す必要がある。だが、そんな方法はあるのだろうか……?そう考えていた。

映姫「……いや、アテはあるかもしれません…」
何か思いついたようで、部屋から出てある場所を目指す。




































妖怪の山

映姫は妖怪の山に辿り着いた。恐らく、その"アテ"がここにいるだろうと思い、ここに来たが……いるかどうかはわからない。

映姫「…いてくれたらいいんですけど…」
そう呟くと、山を登り始める。

此処に来ることはあまりなかったが…少なからず、こんな…死んだような風景ではなかっただろう。
妖怪達の活気は無いのはもちろんだが……妙に静かで、今此処に自分だけしかいないように思えてくる。風邪で木や草花が揺れる音が聞こえる…その音が、余計にそう思えてくる。
キラが出現する前は、もっと活気があって…安らぎすら覚える、そんな場所だったに違いない……

そう思いながら、映姫は山を登っていく。
大分登っただろう、民家が見えてくる。恐らく、キラを見つける"アテ"は、ここにいるに違いない。そう思って、一歩踏み出そうとする……










「珍しいですね、閻魔様が山に来るなんて」
映姫の後ろから声が聞こえた。映姫は後ろを振り返る…
そこには、剣と紅葉のマークがついた盾を持つ白狼天狗……犬走椛がいた。警戒してるようで、こちらを睨んでいる。無理もない、こんな世の中だ……もしかすると、私がキラだと思われているのかもしれない。
椛「何の用ですか?」
相変わらず警戒してる様子で尋ねて来る。
映姫「…あなたの上司に、用があります。できれば、案内をお願いしたいのですが」
椛「…文さんにですか……何の用があるんですか?」
映姫は一呼吸置いて、口を開ける


映姫「キラを捜索するために、彼女に協力して欲しいのです。」
椛「…!」
流石に驚いているようだ
椛「…そんなこと…尚更案内できません…!文さんを、そんな危険な目に遭わせるなんて…!」
映姫「無理なことは、承知の上です…。けど、このままでは……幻想郷は終わってしまう。」
椛「………」













































文「ふぅ……」
自室にて、目の前にある白紙を見ていたが……それをやめて力なく椅子の背もたれに寄りかかる。
文「困りましたね……ネタが無い…。よく脚色したりしてましたけど、それのネタすらも無い……困り果てました…」
どうやら、新聞のネタがないことに困ってるようだ。無理もない、このご時世…何かしてしまえばキラに裁かれてしまう。誰もそんなことはしたりしない……。
なにか、いいネタが来ないだろうか…そう考えていると、部屋の扉をノックする音が聞こえる。
文「どうぞー。」
体を起こして扉の向こうにいる相手にそう伝える。扉が開き、そこにいるのは椛と…映姫。

「文さん…お客様です。」
映姫「お邪魔します。」
文「あやや…閻魔様じゃあないですか、珍しいですね?」
席から立ち上がって、映姫の近くにまで寄り「さぁ、上がってください」と、部屋の中に入れる。
お互い向かい合うようにソファーに座り、椛は文の近くに立っている。

文「えーっと、どうなされたのですか?」
文が微笑みながら映姫に用件を聞く。

映姫「…今日は、あなたにお願いがあって来ました。」
文「お願い…?」
ただでさえ映姫が山に来るのが珍しいのに、お願い…一体どんなお願いだろうかと思う文。映姫はゆっくりたら口を開く。

映姫「…あなたに、キラ捜索を手伝っていただきたいのです。」
文「…!」
まさかのお願いに驚く文。

映姫「…あなたも知っているでしょう。キラがこの幻想郷の統率者になって…犯罪は無くなりました。けど、幻想郷から「笑顔」が消えてしまいました…皆、キラの監視の目に、日々怯えながら暮らしています。」
文「……」
確かにそうだ、取材をしに山から降りて、様々な場所へ行ったが…誰も笑ってない。まるで、すべてが灰色のように…何もかもが終わったかのように見える…。

映姫「…下手をすれば、私やあなた…いえ、あなたの仲間も死ぬことになります……。ですが、このままでは…幻想郷が終わりを迎えてしまいます。無理なのは承知の上です、キラを見つけるには、あなたの力が必要です…よろしくお願いします。」
映姫は、文に向かって深々と頭を下げた。

文「閻魔様…!?顔をあげてください…!」
文は立ち上がって、映姫に頭をあげるように言う。
文「……わかりました。」
椛「文さん…!?」
文「確かに、仲間を巻き込んでしまうかもしれない…けど、閻魔様が頭を下げて、断れるわけありません。それに…やっぱり、私は前の幻想郷の方が好きですから」
にこりと笑いながらそう言った。映姫はそれを見て
映姫「…ありがとうございます…!」
と、こちらも笑顔で返した




映姫が部屋を去った後、文は自分の席に戻る。

文「さーてと!ブン屋の底力を、キラに見せつけてやりますかー!まずは、計画を立てないと…」
そう言って書類の山から、ノートを探す。
文「えーっと、確かここにー……ん?」
ある本に目が止まり、それを手に取る。

文「はて……



























こんな黄色いノート、ありましたっけ?」

To be continued
20/05/07 23:09更新 / 青猫
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