連載小説
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第1話
ここは、幻想郷……人間、妖怪、妖精、神が住んでいる地だ。そこはどこにあるのか……外の世界の人は、誰も知らない。
そんな幻想郷のある場所にて……











妖怪「はぁ…はぁ……!」
森の中を、息を切らしながら走っている……というより、何かから逃げている妖怪達がいる。その後ろを見ると……一人の狐の妖怪が追ってきていた。

静音「逃がさない…!行きなさい、式神!!」
彼女の周囲から現れた式神が、前方にいる妖怪目掛けて飛んでいく。その式神達が、妖怪達の後ろの方にいる妖怪に体当たりする。

妖怪「うぉっ!?」
体当たりをされ、倒れる妖怪。式神はそこで姿を変えて、その倒れた妖怪を縛る。
妖怪「リーダー!ヤバイです、もうそこまで来てます!!」
その妖怪達のリーダーらしき存在は、何も言わずただ走っている。
妖怪「リーダー!なんとか言ってくださいよ!」
妖怪「リーダー!」
妖怪のリーダー「………」
そのリーダーが止まり…



妖怪のリーダー「うるさいっ!!」
そこから勢いよく回し蹴りをして、後ろにいた妖怪を蹴り飛ばした
妖怪「ぐあぁぁ!!?」
妖怪「り、リーダー!?」
妖怪のリーダー「まったく、さっきから…リーダーリーダーうるさいッスよ、リーダーしか言えないんスか?だいたい……」
妖怪のリーダーから、ドロンッと煙が出てくる。それがなくなった頃には、リーダーの姿はない。代わりに、狸の妖怪の少女の姿があった

紅葉「あちき、リーダーじゃあねーッス」
妖怪「な!?だ、誰だお前!!?」
妖怪「リーダーを何処へやった!!」
紅葉「えーっと、リーダーなら………」
キョロキョロと周りを見て、リーダーを探す。そして、とある木に目が止まり、そこを指差す。

紅葉「そこで、のびてるッス」
妖怪「リーダー!?」
それを見た後、妖怪達は紅葉を囲む

妖怪「お前か!やったのは!」
紅葉「いやいや、あちきじゃねーッスよ」
片手を軽く振って、違うと言うアピールをする………が、妖怪達は紅葉を睨み

妖怪「もういい!コイツを倒すぞ!!」
妖怪は一斉に紅葉にかかっていった
紅葉「だから……」
妖怪の攻撃が当たる前にジャンプして、攻撃をかわす。
そして、近くの妖怪の頭目掛けて右足で蹴る
紅葉「あちきじゃねーって、言ってるッス!!」
妖怪「ぐえっ!」
その妖怪の頭を踏み台にして飛び、また違う妖怪の頭を蹴っては踏み台にして飛び…それを繰り返して、周りの妖怪を倒してしまう。

紅葉「ふぅ……」
着地した後、前方にいる1体の妖怪を見る。
紅葉「あとは、あんただけッスね…」
拳をパキパキ鳴らせながら妖怪に近づく
妖怪「………にやり…」
紅葉「…?」
その妖怪がにやりと笑ったことに、不思議そうに見て首をかしげる紅葉。すると後ろの茂みから物音が聞こえて、振り返る。そこには、妖怪が飛び出してきている光景が見えた。恐らく、奴等の仲間だと思われる。

紅葉「な!?もう一人いたッスか!?」
妖怪「死ねぇっ!!クソガキッ!!!」
妖怪が紅葉に攻撃を仕掛けた…














バシィッ!!!













妖怪「………………」
紅葉「……?」
目を閉じて、防ぐ体勢を取っていたが、一向に攻撃してこないと思い、目を開けた
妖怪は、攻撃しようとしている体勢で止まっている……そしてそのまま、妖怪は倒れた。
倒れた妖怪の後ろには、ある妖怪がいた。それは………
紅葉「!」





























紅葉「椿の姉御!!」
そこには、木刀を持って妖怪を倒した時の体勢から立ち上がって、紅葉を見て、にこりと笑う椿がいた。
椿「よかった、なんとか間に合ったみたいで」
紅葉「マジありがとうッス!姉御がいなかったら、今頃あちきは死んでたッス!!」
椿の前で深々と頭を下げる
椿「いやいやいや、死にはしないでしょ?怪我はするけど…」
妖怪「な!?も、もう一人いたのか!!?」
紅葉「もしかして、このリーダー倒したのは姉御ッスか?」
椿「うん、そうだよ?」
妖怪「しかもリーダーを倒した奴!!に、逃げねーと…!!」
静音「悪いけど、逃がさないわよ」
静音の式神が、最後の妖怪に巻き付く。
妖怪「わ!?なんだこれ!?」
静音「さて、これで全員ね。任務完了よ、早くコイツらを渡しに行きましょう」














妖怪達を閻魔様の方へ渡した三人は、いつものように報酬を貰って自分達の仕事場並びに住居である場所に向けて歩いていた。
静音「今日も任務完了ね〜…そうだ、帰りラーメンでも食べて帰りましょうか」
紅葉「あ、いいッスねそれ!」
椿「うん!」
静音「じゃあ、このままラーメン屋に行きましょうか!」
三人は仕事場ではなく、ラーメン屋に進路を変更した。
静音「それにしても、椿。この仕事を始めて一週間くらい…かしら。もう私達と同じくらいの仕事できるようになったわね!」
椿「そ、そっかな?私なんてまだまだだよ、能力も持ってないしさ」
紅葉「いやいや、姉御はもうあちきよりも強いッス!しかも今日、あちきを助けてくれたじゃないッスか!あの妖怪をワンパンKOしてたッス!」
椿「助けるのは当たり前だよ〜、仲間だしさ。それに、後ろ向いてたから、偶然一発で倒せたんだよ〜」
少し照れた様子で話す椿

静音「いやでも、その身のこなし…その剣術…戦い慣れてるに違いないわ。何処で習得したの?」
椿「えーっと……」
腕を組んで、何処で習得したのかを思い出そうとする……



椿「……覚えてないなぁ………」

















修復作業ヲ開始シマス。
現在……2%………

つづく
16/02/18 17:36更新 / 青猫
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