桐生一馬編第九話「お見舞い」
―――11月25日輝日東高校内―――
秋山「桐生さん」
桐生「秋山、風邪治ったのか」
秋山「ええ、これもはるかちゃんのおかげでね、彼女には感謝の気持ちでいっぱいですよ」
桐生「それは森島が喜びそうな話だな」
秋山「ええ、伝えた瞬間顔真っ赤にして『どういたしまして』って言ってくれましたから」
桐生「そうか…次からは気を付けな」
秋山「分かってますよ…桐生さんも気を付けて」
桐生「ああ…ん?」
棚町「…た、大変だ!」
桐生「棚町か、そんなにあわててどうした?」
棚町「どうもこうもないよ!絢辻さんが倒れたんだ!」
桐生「何!?絢辻が!?」
棚町「どうも最近頑張りすぎてたみたいで…倒れてさっき早退した」
桐生「本当なのか…その話は…」
棚町「本当だよ…まったく支えのアンタが支えなくてどうするよ」
桐生「確かにそうだな…支えられてなかった証拠だ…見舞いにでも行って謝ろう」
棚町「それがいいと思うよ…今日の授業のまとめは私が書いておくから、それを届けてくれない?」
桐生「もちろんだ」
棚町「オッケーじゃ放課後、渡すから忘れないでね!」
秋山「どうやら体調崩したみたいですね…見舞いに行って安心させてやってください」
桐生「ああ…ついでに謝っておかないとな」
―――放課後―――
棚町「約束通りに来たね、じゃはいこれ」
桐生「うむ」
棚町「じゃあとっとと行ってきな」
桐生「ああ、ありがとうな」
ガチャ…バタン…ブロロロロ
―――河原―――
桐生「高橋先生によるとこのあたりにあるはずだが…?」
???「あら?あなた…」
桐生「ん?」
???「もしかして詞ちゃんのお友達さんかしら?」
桐生「はい、桐生と言いますあなたは?」
縁「あ、私詞ちゃんの姉の縁です」
桐生「縁さんですか…お昼に絢辻…さんが倒れて早退したという話を聞きお見舞いに来たのですが…具合はどうなんですか?」
縁「具合は……う〜〜んどうなんだろう?詞ちゃんあまり喋らないから」
桐生「そうなんですか…」
縁「あ、そうだ!せっかくここまで来たんだし顔見てってあげたらどうかな?」
桐生「元よりその気でしたが…寝てたら悪いのでこれを御姉さんから…」
縁「でも具合なら本人に聞くのが一番だし」
桐生「確かにそうですが…」
縁「いいからいいから」
桐生「え?あ…お、おい!」
―――絢辻宅―――
桐生「お邪魔します」
桐生「(結局邪魔してしまったな…まあいい、親御さんに挨拶して絢辻の部屋を聞くか)」
絢辻父「よくぞ参られた、桐生一馬さん」
桐生「どうも、お昼絢辻さんが倒れ早退したという話を聞いてお見舞いに上がりました」
絢辻父「それはありがたい、詞は家ではあまりしゃべらないようで…具合を聞いて下さると幸いです」
桐生「分かりました、聞いておきます」
絢辻父「詞の部屋はこちらです」
―――絢辻の部屋の扉の前―――
絢辻父「こちらですそれではごゆっくり…」
桐生「わざわざありがとうございます」
ゴンゴン
桐生「絢辻!俺だ!」
桐生「寝てるのか…?少し待ってやるか」
―――10分後―――
絢辻「ん、んん…」
絢辻「あれ…扉の前に誰かいるの…?」
ガチャ
絢辻「あ…」
桐生「ん?おはよう、邪魔してるぞ」
絢辻「きゃあああ!なんで桐生さんがここにいるの!ちょっこっち見ないで!」
桐生「あ、ああ…」
絢辻「ちょっと待っててすぐ顔洗ってくるから!」
―――3分後―――
絢辻「もういいよ」
桐生「すまんな、お見舞いの品だけ縁さんに渡そうと思ったんだが…」
絢辻「そんなことだろうと思った…私こそ大声出しちゃってごめんなさい」
桐生「ははは…」
絢辻「びっくりしちゃって…その…」
桐生「まぁ急に部屋の前にいるんだもんな仕方ねぇよ…それよりまだ寝とけ、悪化するぞ」
絢辻「あ、うん」
ゴソゴソ…
絢辻「でも、まさか桐生さんがお見舞いに来てくれるなんて…」
桐生「他の奴は来なかったのか?」
絢辻「来てくれたのは桐生さんだけよ」
桐生「そうか…具合はどうなんだ?」
絢辻「うん、少し頑張り過ぎたみたいで」
桐生「そうか、疲れたまっちまった感じか」
絢辻「うん…でも大丈夫だから」
桐生「そうか、なら良かっただがこうなっちまったのも支えである俺が支えられなかった証拠だ、許してくれそれに…まだ顔が赤い」
絢辻「うん、少し熱があるからね」
桐生「熱だと?本当に大丈夫なのか?お前…」
絢辻「フフッ、たいしたことないわよ」
桐生「おおありだ…少し台所借りる」
絢辻「えっ!?あっ、桐生さん?」
―――3分後―――
ガチャ
桐生「待たせたな」
絢辻「うん…でも、急に…」
桐生「これを冷やしてきた」
絢辻「えっ?」
桐生「ちゃんの綺麗に洗った奴だ、少しじっとしてな」
絢辻「あ……」
桐生は絢辻の前髪をかき分け額にゆっくりと冷やしたタオルを置く
桐生「これでいい」
絢辻「あ、ありがとう…」
桐生「気にすんな、アサガオ経営してた時から熱出した子供にいつもやってたことだからな、癖になっちまった」
絢辻「そ、そう…」
桐生「そうだ、すっかり忘れていたがお見舞い持ってきたんだった…ほらよ」
絢辻「これ…スタミナンスパークと私のノートと花?」
桐生「ああ、机に置いておく…ノートは棚町が今日の授業の内容をまとめたやつだ、スタミナンは単純に元気になるからだ…昔これ飲んでカチコミ行ってたもんだ」
絢辻「そ、そう…」
桐生「さて、やるべきこともやったし俺は帰る」
絢辻「えっ?あ、うん…ごめんね、お茶も出さないで」
桐生「いや、気にするな」
絢辻「それじゃ玄関まででも」
桐生「いや、お前は寝てろ…病人は寝てるのが一番だ」
絢辻「でも……」
桐生「気持ちだけ受け取っておくさ、じゃお大事にな」
絢辻「あ、うん…またね」
ガチャ…バタン
桐生「さて…お邪魔しました」
絢辻父「待たれよ、桐生さん」
桐生「なんでしょうか」
絢辻父「あのタオルをきれいにするときの手際の良さ…昔養護施設を経営されてたのですかな?」
桐生「いや…私はタクシードライバーです、それでは」
絢辻父「あ、最後にもう一つ」
桐生「はい」
絢辻父「詞の事、頼みましたぞ」
桐生「…分かりました、それではお邪魔しました」
ガチャっ…バタン
桐生「絢辻は元気そうだったな…さて、俺も家に帰るとするか」
ブロロロロ…
―――桐生宅玄関前―――
桐生「誰かいるな…」
???「参ったな…なんでこの期に及んで桐生がいねえんだ…」
桐生「伊達さん?…俺の家の前で何してるんだ?」
伊達「おお、桐生久しぶりだな実はちょっと話があるんだよお前ん家で一杯ひっかけながら話そうと思ってな」
桐生「そうか…なら少し待ってろ今鍵開ける」
ガチャッ
伊達「お邪魔しまーす…おお、案外快適そうじゃねぇか」
桐生「まぁな…それで話ってのは?」
伊達「ああ…少し長話になるぜ、実はな…」
―――第九話終わり―――
秋山「桐生さん」
桐生「秋山、風邪治ったのか」
秋山「ええ、これもはるかちゃんのおかげでね、彼女には感謝の気持ちでいっぱいですよ」
桐生「それは森島が喜びそうな話だな」
秋山「ええ、伝えた瞬間顔真っ赤にして『どういたしまして』って言ってくれましたから」
桐生「そうか…次からは気を付けな」
秋山「分かってますよ…桐生さんも気を付けて」
桐生「ああ…ん?」
棚町「…た、大変だ!」
桐生「棚町か、そんなにあわててどうした?」
棚町「どうもこうもないよ!絢辻さんが倒れたんだ!」
桐生「何!?絢辻が!?」
棚町「どうも最近頑張りすぎてたみたいで…倒れてさっき早退した」
桐生「本当なのか…その話は…」
棚町「本当だよ…まったく支えのアンタが支えなくてどうするよ」
桐生「確かにそうだな…支えられてなかった証拠だ…見舞いにでも行って謝ろう」
棚町「それがいいと思うよ…今日の授業のまとめは私が書いておくから、それを届けてくれない?」
桐生「もちろんだ」
棚町「オッケーじゃ放課後、渡すから忘れないでね!」
秋山「どうやら体調崩したみたいですね…見舞いに行って安心させてやってください」
桐生「ああ…ついでに謝っておかないとな」
―――放課後―――
棚町「約束通りに来たね、じゃはいこれ」
桐生「うむ」
棚町「じゃあとっとと行ってきな」
桐生「ああ、ありがとうな」
ガチャ…バタン…ブロロロロ
―――河原―――
桐生「高橋先生によるとこのあたりにあるはずだが…?」
???「あら?あなた…」
桐生「ん?」
???「もしかして詞ちゃんのお友達さんかしら?」
桐生「はい、桐生と言いますあなたは?」
縁「あ、私詞ちゃんの姉の縁です」
桐生「縁さんですか…お昼に絢辻…さんが倒れて早退したという話を聞きお見舞いに来たのですが…具合はどうなんですか?」
縁「具合は……う〜〜んどうなんだろう?詞ちゃんあまり喋らないから」
桐生「そうなんですか…」
縁「あ、そうだ!せっかくここまで来たんだし顔見てってあげたらどうかな?」
桐生「元よりその気でしたが…寝てたら悪いのでこれを御姉さんから…」
縁「でも具合なら本人に聞くのが一番だし」
桐生「確かにそうですが…」
縁「いいからいいから」
桐生「え?あ…お、おい!」
―――絢辻宅―――
桐生「お邪魔します」
桐生「(結局邪魔してしまったな…まあいい、親御さんに挨拶して絢辻の部屋を聞くか)」
絢辻父「よくぞ参られた、桐生一馬さん」
桐生「どうも、お昼絢辻さんが倒れ早退したという話を聞いてお見舞いに上がりました」
絢辻父「それはありがたい、詞は家ではあまりしゃべらないようで…具合を聞いて下さると幸いです」
桐生「分かりました、聞いておきます」
絢辻父「詞の部屋はこちらです」
―――絢辻の部屋の扉の前―――
絢辻父「こちらですそれではごゆっくり…」
桐生「わざわざありがとうございます」
ゴンゴン
桐生「絢辻!俺だ!」
桐生「寝てるのか…?少し待ってやるか」
―――10分後―――
絢辻「ん、んん…」
絢辻「あれ…扉の前に誰かいるの…?」
ガチャ
絢辻「あ…」
桐生「ん?おはよう、邪魔してるぞ」
絢辻「きゃあああ!なんで桐生さんがここにいるの!ちょっこっち見ないで!」
桐生「あ、ああ…」
絢辻「ちょっと待っててすぐ顔洗ってくるから!」
―――3分後―――
絢辻「もういいよ」
桐生「すまんな、お見舞いの品だけ縁さんに渡そうと思ったんだが…」
絢辻「そんなことだろうと思った…私こそ大声出しちゃってごめんなさい」
桐生「ははは…」
絢辻「びっくりしちゃって…その…」
桐生「まぁ急に部屋の前にいるんだもんな仕方ねぇよ…それよりまだ寝とけ、悪化するぞ」
絢辻「あ、うん」
ゴソゴソ…
絢辻「でも、まさか桐生さんがお見舞いに来てくれるなんて…」
桐生「他の奴は来なかったのか?」
絢辻「来てくれたのは桐生さんだけよ」
桐生「そうか…具合はどうなんだ?」
絢辻「うん、少し頑張り過ぎたみたいで」
桐生「そうか、疲れたまっちまった感じか」
絢辻「うん…でも大丈夫だから」
桐生「そうか、なら良かっただがこうなっちまったのも支えである俺が支えられなかった証拠だ、許してくれそれに…まだ顔が赤い」
絢辻「うん、少し熱があるからね」
桐生「熱だと?本当に大丈夫なのか?お前…」
絢辻「フフッ、たいしたことないわよ」
桐生「おおありだ…少し台所借りる」
絢辻「えっ!?あっ、桐生さん?」
―――3分後―――
ガチャ
桐生「待たせたな」
絢辻「うん…でも、急に…」
桐生「これを冷やしてきた」
絢辻「えっ?」
桐生「ちゃんの綺麗に洗った奴だ、少しじっとしてな」
絢辻「あ……」
桐生は絢辻の前髪をかき分け額にゆっくりと冷やしたタオルを置く
桐生「これでいい」
絢辻「あ、ありがとう…」
桐生「気にすんな、アサガオ経営してた時から熱出した子供にいつもやってたことだからな、癖になっちまった」
絢辻「そ、そう…」
桐生「そうだ、すっかり忘れていたがお見舞い持ってきたんだった…ほらよ」
絢辻「これ…スタミナンスパークと私のノートと花?」
桐生「ああ、机に置いておく…ノートは棚町が今日の授業の内容をまとめたやつだ、スタミナンは単純に元気になるからだ…昔これ飲んでカチコミ行ってたもんだ」
絢辻「そ、そう…」
桐生「さて、やるべきこともやったし俺は帰る」
絢辻「えっ?あ、うん…ごめんね、お茶も出さないで」
桐生「いや、気にするな」
絢辻「それじゃ玄関まででも」
桐生「いや、お前は寝てろ…病人は寝てるのが一番だ」
絢辻「でも……」
桐生「気持ちだけ受け取っておくさ、じゃお大事にな」
絢辻「あ、うん…またね」
ガチャ…バタン
桐生「さて…お邪魔しました」
絢辻父「待たれよ、桐生さん」
桐生「なんでしょうか」
絢辻父「あのタオルをきれいにするときの手際の良さ…昔養護施設を経営されてたのですかな?」
桐生「いや…私はタクシードライバーです、それでは」
絢辻父「あ、最後にもう一つ」
桐生「はい」
絢辻父「詞の事、頼みましたぞ」
桐生「…分かりました、それではお邪魔しました」
ガチャっ…バタン
桐生「絢辻は元気そうだったな…さて、俺も家に帰るとするか」
ブロロロロ…
―――桐生宅玄関前―――
桐生「誰かいるな…」
???「参ったな…なんでこの期に及んで桐生がいねえんだ…」
桐生「伊達さん?…俺の家の前で何してるんだ?」
伊達「おお、桐生久しぶりだな実はちょっと話があるんだよお前ん家で一杯ひっかけながら話そうと思ってな」
桐生「そうか…なら少し待ってろ今鍵開ける」
ガチャッ
伊達「お邪魔しまーす…おお、案外快適そうじゃねぇか」
桐生「まぁな…それで話ってのは?」
伊達「ああ…少し長話になるぜ、実はな…」
―――第九話終わり―――
14/11/23 21:56更新 / アンフィニ