桐生一馬編第七話「平等からの努力」
―――11月14日三時限目前―――
男子A「…という訳なんですが…」
桐生「うむ…なるほどな、物は試しだ…まず行動に起こしたほうがいいんじゃないのか?」
男子A「行動、ですか…ありがとうございます!俺、桐生さんにいい報告ができるよう頑張ります!」
桐生「よし、その意気だ」
男子A「わざわざ話に付き合ってくれてありがとうございます!コレ、お礼です、受け取ってください!」
メリケンサックを渡されて桐生は驚きこう問いただした
桐生「メリケンサック?どうしてこんなものを…」
男子A「あ…俺の父さんがヤクザのそれなりに地位の高い方だったんで…護身用に持ってけっていわれても使い道がなかったので…」
桐生「そうか…まぁいい、もらっておこう」
男子A「あ、いけない!先生に頼まれごとをしていたんだった!すいません桐生さん!失礼します!」
桐生「おう、がんばれ」
桐生「さて…そろそろまぁ待機室に向かってもいい頃か…ん?」
桐生「(絢辻の机にぞろぞろと人が集まってるな…何してるんだ?)」
桐生「…少し話を立ち聞きするか、悪い事とは自覚しているがこのぐらいいだろう」
桐生は絢辻のいる教室の外の壁に寄りかかり腕を組み話を聞く
男子B「なぁ、絢辻さん、ここ教えてくれないか?今日出席番号で当てられそうなんだ」
絢辻「え?どれどれ?」
男子B「ここの所なんだけど…」
絢辻「ああ、これねこれは公式を応用して…こういう形にして…」
女子A「あ〜なるほどね〜」
女子B「あの先生説明下手だよね〜こうやって教えてくれればいいのに」
女子C「絢辻さん、これはこれは?」
絢辻「えっとこれは…フフッ、この計算でミスをしてるわよ」
女子C「あ、ホントだ」
絢辻「あとは完ぺきだから、このまま公式を解いていけばバッチリね」
女子C「うん、ありがとう」
男子B「絢辻さん、できたけどこれで大丈夫?」
絢辻「え〜〜〜っと…うん、あってるあってる」
女子A「えっ!それ暗算?」
絢辻「うん」
女子A「はぁ…絢辻さんって相当頭いいよね、私らとは作りからして違うのかな」
桐生「いや、そんなことはねぇ」
ガラッ
絢辻「あ、桐生さん…話聞いてたんだ」
桐生「悪い、立ち聞きしちまった…作りから違うってのはまず間違いだ」
女子A「どうして?」
桐生「人間ってのは生まれた時から才があるってわけじゃねぇ、生まれた時は皆平等なんだ、その平等の存在から努力の差によって実力の差がつくスポーツも勉強もそうだ、努力しているやつはどこかで壁にぶち当たっているそれを乗り越えて実力が付いていく」
女子A「…」
桐生「俺だってそうだ、生まれた時から喧嘩は強くねぇ…極道になり数多くの極道組織を潰し越えられねぇ壁を越えてきたからこそ出来た産物だ…堂島の龍っつう通り名だって越えられねぇ壁を越えてきたからこそできた名だ」
女子A・B・C「…」
桐生「絢辻は平等から努力し越えられねぇ壁を越えてきたからこそ今の頭の良さがあるってわけだ…違うか?」
男子B「確かに…言われてみれば今の話は筋が通ってる…」
桐生「…ま、これは俺の経験からしての話だ…大した意味はねぇよただ、ひとつ教えてやる」
男子B「?」
桐生「人ってのは乗り越えることでしか成長できねぇ、いくらやっても越えられないそれは努力というドーピング剤が足りてないからだ…今から努力でもすれば絢辻みたいな存在になれるかもしれないぜ?」
男子B「なるほど…ありがとうございます桐生さん!俺、必死頑張って越えられない壁を越えて見せます!」
桐生「その意気だ、応援してるぞ…さて俺はそろそろ待機室に戻る、授業、しっかりやれよ」
ガラッ
男子B「ありがとうございました!」
桐生「(…思い切って語ってしまったがまぁ大丈夫だろう)」
―――一時間後―――
秋山「どうも、桐生さん」
桐生「ん?秋山か、どうした?」
秋山「どうってわけじゃないですけど…ああ、そうそうこんな噂を思い出しました」
桐生「噂?」
秋山「えーっとですね、はるかちゃんから聞いた話で何でも2-Aの生徒に対し自分の経験を熱く語ったとかで…2-Aの女子がいってたそうで」
桐生「ああ…あれか、何ただ言ってみただけだ…自分の経験を人に押し付ける気はねぇよ」
絢辻「ああ、いたいた桐生さん!」
桐生「ん?…絢辻か、どうした?」
絢辻「すごかったね、さっきの力説…」
桐生「そうか?思ったことを口に出しただけだが…」
絢辻「それがすごいのよ、思わず私も納得しちゃった」
桐生「フッなら安心だな」
秋山「この二人って…本当に似てるなぁ」
桐生「何か言ったか?」
秋山「いや、なんでも」
ーーー第七話終わりーーー
男子A「…という訳なんですが…」
桐生「うむ…なるほどな、物は試しだ…まず行動に起こしたほうがいいんじゃないのか?」
男子A「行動、ですか…ありがとうございます!俺、桐生さんにいい報告ができるよう頑張ります!」
桐生「よし、その意気だ」
男子A「わざわざ話に付き合ってくれてありがとうございます!コレ、お礼です、受け取ってください!」
メリケンサックを渡されて桐生は驚きこう問いただした
桐生「メリケンサック?どうしてこんなものを…」
男子A「あ…俺の父さんがヤクザのそれなりに地位の高い方だったんで…護身用に持ってけっていわれても使い道がなかったので…」
桐生「そうか…まぁいい、もらっておこう」
男子A「あ、いけない!先生に頼まれごとをしていたんだった!すいません桐生さん!失礼します!」
桐生「おう、がんばれ」
桐生「さて…そろそろまぁ待機室に向かってもいい頃か…ん?」
桐生「(絢辻の机にぞろぞろと人が集まってるな…何してるんだ?)」
桐生「…少し話を立ち聞きするか、悪い事とは自覚しているがこのぐらいいだろう」
桐生は絢辻のいる教室の外の壁に寄りかかり腕を組み話を聞く
男子B「なぁ、絢辻さん、ここ教えてくれないか?今日出席番号で当てられそうなんだ」
絢辻「え?どれどれ?」
男子B「ここの所なんだけど…」
絢辻「ああ、これねこれは公式を応用して…こういう形にして…」
女子A「あ〜なるほどね〜」
女子B「あの先生説明下手だよね〜こうやって教えてくれればいいのに」
女子C「絢辻さん、これはこれは?」
絢辻「えっとこれは…フフッ、この計算でミスをしてるわよ」
女子C「あ、ホントだ」
絢辻「あとは完ぺきだから、このまま公式を解いていけばバッチリね」
女子C「うん、ありがとう」
男子B「絢辻さん、できたけどこれで大丈夫?」
絢辻「え〜〜〜っと…うん、あってるあってる」
女子A「えっ!それ暗算?」
絢辻「うん」
女子A「はぁ…絢辻さんって相当頭いいよね、私らとは作りからして違うのかな」
桐生「いや、そんなことはねぇ」
ガラッ
絢辻「あ、桐生さん…話聞いてたんだ」
桐生「悪い、立ち聞きしちまった…作りから違うってのはまず間違いだ」
女子A「どうして?」
桐生「人間ってのは生まれた時から才があるってわけじゃねぇ、生まれた時は皆平等なんだ、その平等の存在から努力の差によって実力の差がつくスポーツも勉強もそうだ、努力しているやつはどこかで壁にぶち当たっているそれを乗り越えて実力が付いていく」
女子A「…」
桐生「俺だってそうだ、生まれた時から喧嘩は強くねぇ…極道になり数多くの極道組織を潰し越えられねぇ壁を越えてきたからこそ出来た産物だ…堂島の龍っつう通り名だって越えられねぇ壁を越えてきたからこそできた名だ」
女子A・B・C「…」
桐生「絢辻は平等から努力し越えられねぇ壁を越えてきたからこそ今の頭の良さがあるってわけだ…違うか?」
男子B「確かに…言われてみれば今の話は筋が通ってる…」
桐生「…ま、これは俺の経験からしての話だ…大した意味はねぇよただ、ひとつ教えてやる」
男子B「?」
桐生「人ってのは乗り越えることでしか成長できねぇ、いくらやっても越えられないそれは努力というドーピング剤が足りてないからだ…今から努力でもすれば絢辻みたいな存在になれるかもしれないぜ?」
男子B「なるほど…ありがとうございます桐生さん!俺、必死頑張って越えられない壁を越えて見せます!」
桐生「その意気だ、応援してるぞ…さて俺はそろそろ待機室に戻る、授業、しっかりやれよ」
ガラッ
男子B「ありがとうございました!」
桐生「(…思い切って語ってしまったがまぁ大丈夫だろう)」
―――一時間後―――
秋山「どうも、桐生さん」
桐生「ん?秋山か、どうした?」
秋山「どうってわけじゃないですけど…ああ、そうそうこんな噂を思い出しました」
桐生「噂?」
秋山「えーっとですね、はるかちゃんから聞いた話で何でも2-Aの生徒に対し自分の経験を熱く語ったとかで…2-Aの女子がいってたそうで」
桐生「ああ…あれか、何ただ言ってみただけだ…自分の経験を人に押し付ける気はねぇよ」
絢辻「ああ、いたいた桐生さん!」
桐生「ん?…絢辻か、どうした?」
絢辻「すごかったね、さっきの力説…」
桐生「そうか?思ったことを口に出しただけだが…」
絢辻「それがすごいのよ、思わず私も納得しちゃった」
桐生「フッなら安心だな」
秋山「この二人って…本当に似てるなぁ」
桐生「何か言ったか?」
秋山「いや、なんでも」
ーーー第七話終わりーーー
14/11/04 16:56更新 / アンフィニ