秋山駿編第九話「過去の話そして甘え」
―――10月28日森島家―――
森島「6時か…なーんか暇だなぁ…そうだ!丘の上の公園にでも行こうかなお父さーん!ちょっと出かけてくるねー!」
森島父「おう、あんまり遅くなるなよ―!」
森島「はーい!いってきまーす!」
―――丘の上の公園―――
森島「ふー夜風が気持ちいい…いい夜景だなぁ…あれ?あそこのベンチで座っている人…まさか!」
秋山「…フゥ…ん?なんだ?」
森島「だーれだ?」
秋山「これはもしかして…はるかか?」
森島「ワォ!正解!なんでわかったの?」
秋山「なんでって…手のぬくもりでわかるからかな」
森島「へ、へぇ〜そうなんだ…あ、隣座らせてもらうわね」
秋山「ん、どうぞ」
森島「ありがとう!…それで秋山さんは何でここに?」
秋山「俺?俺は…暇だったからかな、家にいても仕方ないしさ」
森島「秋山さんも?私と同じね、私も家にいても暇だったのよ」
秋山「へぇ…」
森島・秋山「……」
森島「…ね、ねぇ…?」
秋山「何?」
森島「この前ホームレスになったことがある―って言ってたよね」
秋山「ああ…そんな日もあったな」
森島「よければその話…一から説明してくれないかな、詳しく聞いたことがないから」
秋山「そうだったっけ?…じゃあ…そうだなぁもうかれこれ十年ぐらい前の話になるかな…」
森島「うん…」
秋山「俺はその時まで東都銀行っつう銀行で働く普通のサラリーマンだったんだよ」
森島に当時の写真を見せた瞬間森島は言った
森島「これが秋山さん!?今の容姿と全然違う…」
秋山「東大の法学部を卒業…東都銀行に入社その時の俺は汗一つかかずにエリートの階段を上っていた…金融工学のプロフェッショナルとしてな」
森島「じゃあどうしてホームレスになったの?」
秋山「クビになったんだよ…2005年の初めにな」
森島「クビ?何かいけないことでもしたの?」
秋山「業務上横領…つまり会社の金をこっそり盗む犯罪だ」
森島「えっ?どうしてそんなこと…」
秋山「知らねえよ…だって俺は横領なんてしてないんだからさ」
森島「え?どう言うこと…?」
秋山「ハメられたんだよ、会社にな…いきなり業務上横領の罪をかけられて懲戒免職ってやつだ」
森島「そんなひどい話が…許せない!」
秋山「誰もがそう思うよな…俺も何かの間違いだと思ってた…だが現実は違った俺が当時担当していたとある会社の口座に会った『100万円』がある日突然俺の個人口座に振り込まれていたんだ」
森島「それでクビ、か…」
秋山「ああ、何言っても無駄だった銀行は俺を告訴しないことを条件に一方的に俺を懲戒免職処分としたその後俺は真相を探ったそれまでにためた金を使いあの手この手を使って調べ回った…でも結局分からずじまいそのうち貯金も尽きて神室町で路上生活を始めたんだ」
森島「それでホームレスに…」
秋山「金なんて簡単に増やせると思ってたんだけどさぁ元手と信用がなければ何もできないんだよ…所詮俺は他人の金で遊んでただけってことにその時初めて分かったんだ」
森島「へぇ〜・・・あ、少し質問いいかな?」
秋山「どうぞ」
森島「じゃあなんで金貸しなんてやれるほどの大金を手に入れたの?」
秋山「ああそれか…拾ったんだよ」
森島「へぇ〜拾っ…ひ、拾った!?」
秋山「だからさお金が降ってきたの空からパァ〜っとそれを拾い集めたのさ」
森島「いやいやいや…さすがに降ってくるなんて事は…」
秋山[いやいや本当だって知らない?ミニレアムタワーってビルで爆発があってそこから大量の札束が降ってきたって事件」
森島「あ…聞いたことあるかも、え?じゃあ秋山さんはそのお金を…?」
秋山「そう…大体100万くらいだったかなあ死に物狂いで拾い集めたよこの金さえあれば第二の人生を歩めるってな」
森島「へぇ…なんか運が悪いのか良いのか分からないわね」
秋山「フッまあな…だがその時の俺にとってその100万円は命と同じくらい大切な金だった…だがそんな大事な金をこともあろうに盗まれちまったんだ路上で寝ている隙にな」
森島「誰に?」
秋山「街のゴロツキさ、あの頃じゃ神室町はホームレス狩りとか言って…路上で寝ているホームレスを襲うような遊びが流行っていたからな」
森島「じゃあ誰が取り返してくれたの?もしかして自分で?」
秋山「その時の俺は今みたいに強くないさ…極道だよ」
森島「極道?ヤクザのこと?」
秋山「新井弘明…知ってる?」
森島「確か汚職で捕まった人よね…もしかしてその人が…」
秋山「そう…俺の第二の人生を後押ししてくれた人だ…当時新井さんは金村興業っつう所に入ったばかりのチンピラだったそのチンピラが俺から金を奪った連中から金を取り上げホームレスの俺にわざわざ届けに来てくれたんだ」
森島「なんでその…新井さんはそんなことを?」
秋山「新井さんは涙を流して喜ぶ俺に言ったよ…俺がこの街を変えて見せますって」
森島「…」
秋山「その時俺は誓ったよ、もしこの100万円で第二の人生を歩めれたら…この人に賭けてみようってだがその賭けようとした人が……警察と極道との秘密のパイプ役…それが新井さんだった…警察の副総監は新井さんを使い東城会を乗っ取る野望を考えた、だがそれも俺と谷村と冴島さん…後堂島の龍、桐生一馬によって食い止められ汚職をばらされ逮捕の大義名分ができた…その副総監は一矢報いようと拳銃を発砲した…その的が俺さ」
森島「え!?…」
秋山「だが…偶然にも胸ポケットに入れていた300万円が弾をガードしてくれた…九死に一生を得たよ結果的副総監は自殺…新井さんは刑務所の中で一生暮らすことを決めたらしい」
森島「…ねぇ」
秋山「ん?何?」
森島「そんなに…辛い思いをして…耐えれるの?」
秋山「辛い思いを何度もしてきた…あのぐらいなら耐えれると思ってた、まさか…恩人が東城会を乗っ取ろうとしていた汚職副総監のスパイだった上店の金を丸ごと持って行かれるなんてそれはさすがにヘコんだよ…」
森島「…ちなみにいくらぐらいなの?そのお金の額って」
秋山「大体1000億かな…コツコツ貯めた金だったからさ結構凹んだよ」
森島「…ねぇ」
秋山「何…ってうおっ!」
秋山は森島に抱きつかれその後優しく秋山は森島に抱きつく
森島「辛かったよね…で…私でよければいくらでも相談に乗るから…ね?」
秋山「はるか…ありがとう」
森島「…」
秋山「グスッ…ヒクッ…」
森島「よしよし…もう、大丈夫だよ…」
俺ははるかに甘えた
まさか泣いちまうなんて…でもよかった話してスッキリした
ずっとはるかの側にいたい…なんて気持ちがあの時はあった
実現出来たらもう俺は何もいらない…
―――第九話終わり―――
森島「6時か…なーんか暇だなぁ…そうだ!丘の上の公園にでも行こうかなお父さーん!ちょっと出かけてくるねー!」
森島父「おう、あんまり遅くなるなよ―!」
森島「はーい!いってきまーす!」
―――丘の上の公園―――
森島「ふー夜風が気持ちいい…いい夜景だなぁ…あれ?あそこのベンチで座っている人…まさか!」
秋山「…フゥ…ん?なんだ?」
森島「だーれだ?」
秋山「これはもしかして…はるかか?」
森島「ワォ!正解!なんでわかったの?」
秋山「なんでって…手のぬくもりでわかるからかな」
森島「へ、へぇ〜そうなんだ…あ、隣座らせてもらうわね」
秋山「ん、どうぞ」
森島「ありがとう!…それで秋山さんは何でここに?」
秋山「俺?俺は…暇だったからかな、家にいても仕方ないしさ」
森島「秋山さんも?私と同じね、私も家にいても暇だったのよ」
秋山「へぇ…」
森島・秋山「……」
森島「…ね、ねぇ…?」
秋山「何?」
森島「この前ホームレスになったことがある―って言ってたよね」
秋山「ああ…そんな日もあったな」
森島「よければその話…一から説明してくれないかな、詳しく聞いたことがないから」
秋山「そうだったっけ?…じゃあ…そうだなぁもうかれこれ十年ぐらい前の話になるかな…」
森島「うん…」
秋山「俺はその時まで東都銀行っつう銀行で働く普通のサラリーマンだったんだよ」
森島に当時の写真を見せた瞬間森島は言った
森島「これが秋山さん!?今の容姿と全然違う…」
秋山「東大の法学部を卒業…東都銀行に入社その時の俺は汗一つかかずにエリートの階段を上っていた…金融工学のプロフェッショナルとしてな」
森島「じゃあどうしてホームレスになったの?」
秋山「クビになったんだよ…2005年の初めにな」
森島「クビ?何かいけないことでもしたの?」
秋山「業務上横領…つまり会社の金をこっそり盗む犯罪だ」
森島「えっ?どうしてそんなこと…」
秋山「知らねえよ…だって俺は横領なんてしてないんだからさ」
森島「え?どう言うこと…?」
秋山「ハメられたんだよ、会社にな…いきなり業務上横領の罪をかけられて懲戒免職ってやつだ」
森島「そんなひどい話が…許せない!」
秋山「誰もがそう思うよな…俺も何かの間違いだと思ってた…だが現実は違った俺が当時担当していたとある会社の口座に会った『100万円』がある日突然俺の個人口座に振り込まれていたんだ」
森島「それでクビ、か…」
秋山「ああ、何言っても無駄だった銀行は俺を告訴しないことを条件に一方的に俺を懲戒免職処分としたその後俺は真相を探ったそれまでにためた金を使いあの手この手を使って調べ回った…でも結局分からずじまいそのうち貯金も尽きて神室町で路上生活を始めたんだ」
森島「それでホームレスに…」
秋山「金なんて簡単に増やせると思ってたんだけどさぁ元手と信用がなければ何もできないんだよ…所詮俺は他人の金で遊んでただけってことにその時初めて分かったんだ」
森島「へぇ〜・・・あ、少し質問いいかな?」
秋山「どうぞ」
森島「じゃあなんで金貸しなんてやれるほどの大金を手に入れたの?」
秋山「ああそれか…拾ったんだよ」
森島「へぇ〜拾っ…ひ、拾った!?」
秋山「だからさお金が降ってきたの空からパァ〜っとそれを拾い集めたのさ」
森島「いやいやいや…さすがに降ってくるなんて事は…」
秋山[いやいや本当だって知らない?ミニレアムタワーってビルで爆発があってそこから大量の札束が降ってきたって事件」
森島「あ…聞いたことあるかも、え?じゃあ秋山さんはそのお金を…?」
秋山「そう…大体100万くらいだったかなあ死に物狂いで拾い集めたよこの金さえあれば第二の人生を歩めるってな」
森島「へぇ…なんか運が悪いのか良いのか分からないわね」
秋山「フッまあな…だがその時の俺にとってその100万円は命と同じくらい大切な金だった…だがそんな大事な金をこともあろうに盗まれちまったんだ路上で寝ている隙にな」
森島「誰に?」
秋山「街のゴロツキさ、あの頃じゃ神室町はホームレス狩りとか言って…路上で寝ているホームレスを襲うような遊びが流行っていたからな」
森島「じゃあ誰が取り返してくれたの?もしかして自分で?」
秋山「その時の俺は今みたいに強くないさ…極道だよ」
森島「極道?ヤクザのこと?」
秋山「新井弘明…知ってる?」
森島「確か汚職で捕まった人よね…もしかしてその人が…」
秋山「そう…俺の第二の人生を後押ししてくれた人だ…当時新井さんは金村興業っつう所に入ったばかりのチンピラだったそのチンピラが俺から金を奪った連中から金を取り上げホームレスの俺にわざわざ届けに来てくれたんだ」
森島「なんでその…新井さんはそんなことを?」
秋山「新井さんは涙を流して喜ぶ俺に言ったよ…俺がこの街を変えて見せますって」
森島「…」
秋山「その時俺は誓ったよ、もしこの100万円で第二の人生を歩めれたら…この人に賭けてみようってだがその賭けようとした人が……警察と極道との秘密のパイプ役…それが新井さんだった…警察の副総監は新井さんを使い東城会を乗っ取る野望を考えた、だがそれも俺と谷村と冴島さん…後堂島の龍、桐生一馬によって食い止められ汚職をばらされ逮捕の大義名分ができた…その副総監は一矢報いようと拳銃を発砲した…その的が俺さ」
森島「え!?…」
秋山「だが…偶然にも胸ポケットに入れていた300万円が弾をガードしてくれた…九死に一生を得たよ結果的副総監は自殺…新井さんは刑務所の中で一生暮らすことを決めたらしい」
森島「…ねぇ」
秋山「ん?何?」
森島「そんなに…辛い思いをして…耐えれるの?」
秋山「辛い思いを何度もしてきた…あのぐらいなら耐えれると思ってた、まさか…恩人が東城会を乗っ取ろうとしていた汚職副総監のスパイだった上店の金を丸ごと持って行かれるなんてそれはさすがにヘコんだよ…」
森島「…ちなみにいくらぐらいなの?そのお金の額って」
秋山「大体1000億かな…コツコツ貯めた金だったからさ結構凹んだよ」
森島「…ねぇ」
秋山「何…ってうおっ!」
秋山は森島に抱きつかれその後優しく秋山は森島に抱きつく
森島「辛かったよね…で…私でよければいくらでも相談に乗るから…ね?」
秋山「はるか…ありがとう」
森島「…」
秋山「グスッ…ヒクッ…」
森島「よしよし…もう、大丈夫だよ…」
俺ははるかに甘えた
まさか泣いちまうなんて…でもよかった話してスッキリした
ずっとはるかの側にいたい…なんて気持ちがあの時はあった
実現出来たらもう俺は何もいらない…
―――第九話終わり―――
14/10/30 23:22更新 / アンフィニ