第十五話「意外な顔」
―――某月某日、それはとある日―――
後藤「ン゙ン゙ン゙ン゙ン゙…」「アアアアアアアア…」「だめだ、まったくわからん、なんなんこれ」
長山「…なにしてんのさ、今にも息絶えそうな声出して」
後藤「あ、姉さん」「英語がまったくもってわからないんだ」
長山「ああ、そいえば明日斗英語赤点だっけ?」「何、何ができないの?」
後藤「単語が覚えらんねぇ、一般動詞とか覚えらんねぇよ」
長山「動詞は中学マジメにやってりゃ自然と入るでしょうよ」「何、不良だった口?」
後藤「痛いところつくなあぁ〜…まぁそんなところだよ」
長山「ただの馬鹿か…」「まぁでも文法は分かってるわけでしょ?なら単語を死ぬ気でおぼえれば…」
後藤「ソレサンシュウカンレンシュウシテコウカナカッタオレニイウコトカ?」長山「あ、なんかごめん」
長山「そうなってくると何にも助言できることがなあ…」
後藤「いーのよいーのよどうせ俺なんてまた…あ」ピクッ「ハァァッ!」ピキィィィン
後藤(そうだ…たしかいつの日か絵里ちに英語を教えてもらう約束をしたな、今日教えてもらってもバチは当たらないであろう)(そもそも絵里ち予定あいてんのかなぁ…一応聞いてみようか)
―――LINEのトーク画面―――
後藤『絵里ち―』『今大丈夫かい?』
絢瀬『大丈夫よ』『どうしたの?』
後藤『英語教えてくれ(´・ω・`)』『死んでしまう』
絢瀬『えー笑』『どうしようかしら?笑』
後藤『頼む!』『どうしても絵里ちの力が必要だ』
絢瀬『いいわよ』『場所どこにする?』
後藤『とりあえず例の音楽スタジオで待ってて〜』
絢瀬『分かったわ』『それじゃあまた後で!』
後藤『はーい』
―――現実―――
後藤「・・・」(よっしゃキタコレッッッ!!)グッ
右手を力強く握りしめガッツポーズをしている
後藤「さーて帰ろう」「姉さんお先〜」
そういって意気揚々と帰っていき
長山「・・・あ、ねえ陸ちゃん」
たまたま通りかかった朽木に声をかけ
朽木「おう、アネゴどしたい?」
長山「見たかい?さっきの明日斗」
朽木「ああ、見た見た」「気持ち悪いぐらい笑顔だったな」
長山「…あんなやつだったっけ?」朽木「いや、ちがうな」
―――一方絵里視点では―――
絢瀬「…ふふっ」
東條「んー?絵里ちご機嫌やね」「どーしたん?」スッ
絢瀬「なんだと思う?」
東條「そーやねー?」「明っちゃんと会う約束とか?」
絢瀬「正解」「英語が本当にできないらしいの」アヤセ「ホラ」
トークを見せ
東條「ああ、確かそんなこといってたね」「顔文字かわいい♪」
絢瀬「さて…この書類が終わったら、彼が苦手そうなところを考えなくっちゃ」
東條「手伝おうか?絵里ち」
絢瀬「希…ありがとう」
東條「明っちゃんと初デートやからね♪」
絢瀬「ッッッ!!!///」カアアアアアッ「の、希!!!///」
東條「じょーだんよ、じょーだん♪」「でも絵里ちはまだピュアなんやね♪」
絢瀬「むぅ〜…///」
東條「ささ、お仕事せえへんと終らんよ?」ニヤニヤ
絢瀬「むぅっ…///」
―――そしてなんやかんやあり―――
とある音楽スタジオ…
絢瀬「すいません、後藤君は?」
スタッフ「ああ、アイツならE号室にいるよ」「あんたらがいつも使ってるところだ、早く行ってあげな結構来てから時間たってっから」
絢瀬「ありがとうごさいます」ペコ スタッフ「いいってことよ」
そしてE号室の方に行くすると
「もしもしかめよ…かめさんよ…」
絢瀬「…?E号室の方から?…後藤君かしら」
E号室の扉を開けるとそこには
絢瀬「あ…」
後藤「世界のうちでお前ほど…」カツンカツンカツン
胡坐に座り壁に背を預けけん玉をしている彼がいた
後藤「歩みののろいものはない…」カツンカツンカツンカツンカツンカツン「どうしてそんなにのろいのか…」カツンカツンカツンカツンカツンカツン「…」
けん玉を止め大きく「明白斗」と幼い字で書かれた玉を見つめ優しく笑っている
絢瀬「何してたの?後藤君」「ごめんね、待たせちゃって」
後藤「絵里ち、全然待ってないさ」「むしろ変なところ見せちまったか」
絢瀬「全然よ」「隣…いい?」
後藤「構わないよ」
隣に座り
後藤「…」絢瀬「…」
しばらくの沈黙の後
絢瀬「後藤君…」後藤「ん?どした?」絢瀬「そのけん玉…幼いころから使ってたの?」
後藤「ああ…これか」「小学校の頃、母さんに買ってもらったものだよ」
後藤「俺が残してた唯一の母さんの形見…過去のものは捨てるつもりだったけど何故か捨てれなかった代物さ」
―――彼の回想―――
幼い後藤「ねぇママ、これ何?」
後藤の母親「あら、明日斗これはね、けん玉っていうのよ」
幼い後藤「ほしい―!買って買って!」
後藤の母親「しょうがないわね、いいわよ♪」
――――――
後藤の母親「はい、なくさないように名前書いておこうね♪」
幼い後藤「はーい」「んー…」カキカキ「出来た!はい」
明白斗と書いたけん玉の玉を見せ
後藤の母親「あ…」「ふふっ二文字目の字が違うわよ?上の部分に点がいらなかったね?」幼い後藤「?」
幼い後藤はなぜ笑っているのかわからず玉を見つめる
後藤の母親「ふふっまぁいいわ、これから覚えていけばいいもの」「お母さんに貸してごらん?」幼い後藤「はい」
後藤の母親「ふふ…みててね?」「もしもしかめよ〜♪かめさんよ〜♪」カツンカツンカツンカツンカツンカツン「世界のうちで♪お前ほど〜♪」カツンカツンカツンカツンカツンカツン
―――現実―――
後藤「歩みののろいものはない…」カツンカツンカツンカツンカツンカツン「どうしてそんなにのろいのか…」カツンカツンカツンカツンカツンカツン…「…まぁ、こんなもんか」
絢瀬「すごい…」パチパチ「私なんてすぐ玉が落ちちゃうわ…」
後藤「コツをつかんでないうちはな、でもいずれつかむとこれが当たり前だよ」
絢瀬「ふぅん…」
後藤「…時々さ、やるんだ、こうやって」「やってると聞こえる気がすんだ、母さんの声がさ…」
絢瀬「…」
後藤「さて…湿っぽい空気は性にあわねぇ」スクッ「行こうぜ」
けん玉をしまいバッグを持って立ち上がる
絢瀬「え?行くってどこへ?」
後藤「かー…ったく…英語教えてくれっつったろ?」「喫茶店とかだよ、行こうぜ」
絢瀬「…うん」「いきましょうか」スクッ
絵里も立ち上がり
絢瀬「どこかいい場所はあるの?」後藤「そうだな〜喫茶アミーでどうだ?」絢瀬「いいわね!そこにしましょう!」
二人並んで部屋を後にした…
―――つづく―――
後藤「ン゙ン゙ン゙ン゙ン゙…」「アアアアアアアア…」「だめだ、まったくわからん、なんなんこれ」
長山「…なにしてんのさ、今にも息絶えそうな声出して」
後藤「あ、姉さん」「英語がまったくもってわからないんだ」
長山「ああ、そいえば明日斗英語赤点だっけ?」「何、何ができないの?」
後藤「単語が覚えらんねぇ、一般動詞とか覚えらんねぇよ」
長山「動詞は中学マジメにやってりゃ自然と入るでしょうよ」「何、不良だった口?」
後藤「痛いところつくなあぁ〜…まぁそんなところだよ」
長山「ただの馬鹿か…」「まぁでも文法は分かってるわけでしょ?なら単語を死ぬ気でおぼえれば…」
後藤「ソレサンシュウカンレンシュウシテコウカナカッタオレニイウコトカ?」長山「あ、なんかごめん」
長山「そうなってくると何にも助言できることがなあ…」
後藤「いーのよいーのよどうせ俺なんてまた…あ」ピクッ「ハァァッ!」ピキィィィン
後藤(そうだ…たしかいつの日か絵里ちに英語を教えてもらう約束をしたな、今日教えてもらってもバチは当たらないであろう)(そもそも絵里ち予定あいてんのかなぁ…一応聞いてみようか)
―――LINEのトーク画面―――
後藤『絵里ち―』『今大丈夫かい?』
絢瀬『大丈夫よ』『どうしたの?』
後藤『英語教えてくれ(´・ω・`)』『死んでしまう』
絢瀬『えー笑』『どうしようかしら?笑』
後藤『頼む!』『どうしても絵里ちの力が必要だ』
絢瀬『いいわよ』『場所どこにする?』
後藤『とりあえず例の音楽スタジオで待ってて〜』
絢瀬『分かったわ』『それじゃあまた後で!』
後藤『はーい』
―――現実―――
後藤「・・・」(よっしゃキタコレッッッ!!)グッ
右手を力強く握りしめガッツポーズをしている
後藤「さーて帰ろう」「姉さんお先〜」
そういって意気揚々と帰っていき
長山「・・・あ、ねえ陸ちゃん」
たまたま通りかかった朽木に声をかけ
朽木「おう、アネゴどしたい?」
長山「見たかい?さっきの明日斗」
朽木「ああ、見た見た」「気持ち悪いぐらい笑顔だったな」
長山「…あんなやつだったっけ?」朽木「いや、ちがうな」
―――一方絵里視点では―――
絢瀬「…ふふっ」
東條「んー?絵里ちご機嫌やね」「どーしたん?」スッ
絢瀬「なんだと思う?」
東條「そーやねー?」「明っちゃんと会う約束とか?」
絢瀬「正解」「英語が本当にできないらしいの」アヤセ「ホラ」
トークを見せ
東條「ああ、確かそんなこといってたね」「顔文字かわいい♪」
絢瀬「さて…この書類が終わったら、彼が苦手そうなところを考えなくっちゃ」
東條「手伝おうか?絵里ち」
絢瀬「希…ありがとう」
東條「明っちゃんと初デートやからね♪」
絢瀬「ッッッ!!!///」カアアアアアッ「の、希!!!///」
東條「じょーだんよ、じょーだん♪」「でも絵里ちはまだピュアなんやね♪」
絢瀬「むぅ〜…///」
東條「ささ、お仕事せえへんと終らんよ?」ニヤニヤ
絢瀬「むぅっ…///」
―――そしてなんやかんやあり―――
とある音楽スタジオ…
絢瀬「すいません、後藤君は?」
スタッフ「ああ、アイツならE号室にいるよ」「あんたらがいつも使ってるところだ、早く行ってあげな結構来てから時間たってっから」
絢瀬「ありがとうごさいます」ペコ スタッフ「いいってことよ」
そしてE号室の方に行くすると
「もしもしかめよ…かめさんよ…」
絢瀬「…?E号室の方から?…後藤君かしら」
E号室の扉を開けるとそこには
絢瀬「あ…」
後藤「世界のうちでお前ほど…」カツンカツンカツン
胡坐に座り壁に背を預けけん玉をしている彼がいた
後藤「歩みののろいものはない…」カツンカツンカツンカツンカツンカツン「どうしてそんなにのろいのか…」カツンカツンカツンカツンカツンカツン「…」
けん玉を止め大きく「明白斗」と幼い字で書かれた玉を見つめ優しく笑っている
絢瀬「何してたの?後藤君」「ごめんね、待たせちゃって」
後藤「絵里ち、全然待ってないさ」「むしろ変なところ見せちまったか」
絢瀬「全然よ」「隣…いい?」
後藤「構わないよ」
隣に座り
後藤「…」絢瀬「…」
しばらくの沈黙の後
絢瀬「後藤君…」後藤「ん?どした?」絢瀬「そのけん玉…幼いころから使ってたの?」
後藤「ああ…これか」「小学校の頃、母さんに買ってもらったものだよ」
後藤「俺が残してた唯一の母さんの形見…過去のものは捨てるつもりだったけど何故か捨てれなかった代物さ」
―――彼の回想―――
幼い後藤「ねぇママ、これ何?」
後藤の母親「あら、明日斗これはね、けん玉っていうのよ」
幼い後藤「ほしい―!買って買って!」
後藤の母親「しょうがないわね、いいわよ♪」
――――――
後藤の母親「はい、なくさないように名前書いておこうね♪」
幼い後藤「はーい」「んー…」カキカキ「出来た!はい」
明白斗と書いたけん玉の玉を見せ
後藤の母親「あ…」「ふふっ二文字目の字が違うわよ?上の部分に点がいらなかったね?」幼い後藤「?」
幼い後藤はなぜ笑っているのかわからず玉を見つめる
後藤の母親「ふふっまぁいいわ、これから覚えていけばいいもの」「お母さんに貸してごらん?」幼い後藤「はい」
後藤の母親「ふふ…みててね?」「もしもしかめよ〜♪かめさんよ〜♪」カツンカツンカツンカツンカツンカツン「世界のうちで♪お前ほど〜♪」カツンカツンカツンカツンカツンカツン
―――現実―――
後藤「歩みののろいものはない…」カツンカツンカツンカツンカツンカツン「どうしてそんなにのろいのか…」カツンカツンカツンカツンカツンカツン…「…まぁ、こんなもんか」
絢瀬「すごい…」パチパチ「私なんてすぐ玉が落ちちゃうわ…」
後藤「コツをつかんでないうちはな、でもいずれつかむとこれが当たり前だよ」
絢瀬「ふぅん…」
後藤「…時々さ、やるんだ、こうやって」「やってると聞こえる気がすんだ、母さんの声がさ…」
絢瀬「…」
後藤「さて…湿っぽい空気は性にあわねぇ」スクッ「行こうぜ」
けん玉をしまいバッグを持って立ち上がる
絢瀬「え?行くってどこへ?」
後藤「かー…ったく…英語教えてくれっつったろ?」「喫茶店とかだよ、行こうぜ」
絢瀬「…うん」「いきましょうか」スクッ
絵里も立ち上がり
絢瀬「どこかいい場所はあるの?」後藤「そうだな〜喫茶アミーでどうだ?」絢瀬「いいわね!そこにしましょう!」
二人並んで部屋を後にした…
―――つづく―――
16/07/19 00:55更新 / アンフィニ