作:銃太郎
イラスト:プロト・K

タイトル:ヤミと眼鏡ともう一人の旅人(仮)
----前編---





「ねぇ葉月ぃ…、キス…しよっか…」

とある世界に初美を探しにやって来た葉月とリリス。
しかしここにも初美は居なかった。
徒労感に襲われて立ち尽くす葉月。そこへリリスが背後から葉月を抱きしめてキスを迫ったのだった。
リリスは背中越しに葉月の胸を両手でぐにぐにと揉んで来た。
そしてセーラー服の上からブラを着けていない乳首をキュッと摘んだ。

「んっ…」

いきなり弱い場所を触られて、思わず声を漏らす葉月。

「あ〜、葉月のここ、もう固くなってる。」

リリスは乳首をクリクリ弄りながら更に葉月のスカートのファスナーを降ろし始めた。
葉月はゾクっとして身体の力が抜け掛けたが、いつまでたっても初美を見つけられない上にしょっちゅうリリスに攻められていい加減うんざりしていたので、
葉月はリリスの腕を荒っぽく振りほどいて不機嫌そうに振り返って言った。

「あのさ、リリスってどうしてこんな時にそんな呑気な事が出来るわけ?」

「だって…葉月が悲しそうな顔をしてるからさ…慰めてあげよっかと思って…」

両手の人差し指の先を突き合わせながらばつが悪そうに言うリリス。

「そんな慰めなんかしてくれなくていい。ボクは疲れてるんだ。ほっといてよ!」

葉月は再びリリスに背を向けた。

「ねえ葉月ぃ…どこに居るかわかんないおでこちゃんなんか諦めなよぉ。
葉月にはあたしがいるじゃないの〜、これからはリリスちゃんだけを見つめて♪」

リリスはまた葉月に抱き着いた。
しかし葉月は手にした刀を抜いてリリスの顔に切っ先を突き付けて言った。

「リリスとくっつくくらいならこの場で腹を切って果てる!」

「あはは…侍じゃないんだからそこまで言わなくても〜…」

頬をひきつらせて冷や汗をかくリリス。
こんな事を普通の人間にされたらリリスは怒ってカエルに変えてしまう所なのだが、そこは惚れた弱みというべきか。
それに何故かリリスの魔力は葉月にはほとんど効かないのだ。おそらく葉月自身と彼女が肌身離さず持っている刀が発するソーマ(それはイブのものなのだが)のお陰かもしれない。

「ふざけてないで、図書館に帰るよ!」

「…は〜い…」

リリスはガックリ肩を落としながら手にした鞭で空中に輪を描いてゲートを開き、葉月の手を取ってその中へと消えた。

二人が図書館へ向かって時空の間を移動している時…

「ねえリリス。」

「なあに?葉月〜」

「さっきはボク…ちょっと言い過ぎたみたい…謝るよ。
それでさ…少しだけなら続きしても…いい…かなって…」

顔を真っ赤にしながらリリスに向かって葉月は言った。

「本当?や〜んうれしい〜。じゃあ今すぐ…」

リリスは喜んで葉月に抱き着くと、いきなり激しいキスをして来た。

「ん…んふ…ぴちゅぴちゅっ」

舌を絡め合う二人。葉月もリリスの頭を抱いて貧るようにキスをした。
しかしリリスが唇を離すと、葉月は戸惑ったような顔をした。

「ちょっと待って。こんな地に足の着かない場所でするのか?」

「リリスちゃん図書館に着くまで待ち切れないの。それに〜、葉月ももうエッチな顔になってるじゃない。」

そう言うとリリスは葉月のセーラー服の胸をはだけて、豊かな乳房の先の固くなった先端をペロペロなめ回す。
リリスの舌に合わせて葉月の息も荒くなってゆく。

「ああっ…リリス…いい」
リリスが葉月の乳首を軽く噛むと、葉月は悩ましい声を上げた。
そして葉月のスカートの中へ手を差し入れると、ゆっくりとパンツを下ろした。
リリスの指が葉月の割れ目を優しくなぞる。

「あ…」
葉月は指に敏感に反応して身体をビクッと震わせる。

「うふふ、ここもコリコリね♪」

「あん…そこダメ」

リリスに陰核をいじめられて葉月は悩ましい声を発した。
乗って来たリリスは葉月の膣口から指を差し入れ、クチュクチュと掻き回した。葉月は快感に腰をくねらせる。

「ああ…リリス…ダメだって…そんなにしちゃ…ああ…ボクもう…落ちる…落ちちゃうよぉ」

葉月が今にもイキそうな声を上げた時、二人は突然強い力で足を引っ張られた。

「いや〜ん!落ちる〜、落ちちゃう〜!」
「うわあ!どうなったんだ!?」

奈落の底へ落ちて行くような感覚の中で二人は失神してしまった。


《ズドーン!!(>。☆)》

何かに叩き付けられたような強い衝撃で二人は失神から覚めた。

「痛ったー…何だよ一体…」

「いた〜い…頭の周りをお星様が回ってる〜…ってなんだ〜図書館に着いてるじゃない。」

辺りには無数の本の並んだ見慣れた光景があった。

「もう、リリスは乱暴だな。ひょっとしてさっきの事根に持ってるのか?」

葉月が首を左右に傾げながら文句を言った。

「違うよ〜。葉月に意地悪なんかしないわよ〜(そんな事したら刀で真っ二つにされちゃうし)。」

「とにかく帰って来れたんだ、次の本を探すよ。」

「ええ〜もう?やだ〜!さっきの続きしようよ〜。まだリリスちゃん気持ちよくなってない〜。
それにお腹も空いちゃったの〜。」

リリスがイヤイヤしながら駄々をこねる。

「ダメ!今の衝撃で醒めちゃったから。」

無情な葉月。

「もう〜、葉月ってば気難しいんだから〜。もっと心を広く持ちなさいよ〜。」
リリスが口を尖らせた。
その時背後に気配が。

「誰だ!」

立ち上がると同時に刀の柄に手を掛ける葉月。

「むちむち黄色まんじゅうじゃないの〜?」

「違う!誰か居る!」

身構える葉月。

「侵入者?」

その時書架の陰からおずおずと姿を現した人影は…

「あ…あの…どなた…ですか?」

その姿を見て二人は開いた口が塞がらなかった。
リリスに姿も服装も帽子も瓜二つの少女が怯えたように立っていた。
その少女は、見た目はリリスにそっくりだったが、ただ一つ違っているのは、眼鏡を掛けている事であった。

「あんた何者〜?無断で図書館に侵入して、しかもあたしのコスプレまでしちゃって、許さないんだから〜!」

リリスがその少女を指差して詰問した。

「え…えっと…えっと…はうう…わたしはここの管理者をしているリリスと申します〜…」

眼鏡の少女は更に怯えながら驚くべき答えを発した。

「何言ってんのよ〜。管理者リリスはあたしよ〜。あんたこそ偽者のくせに〜!ぷんぷん。」

腰に手を当ててリリスが怒る。

「待って!さっきボク達は図書館へ移動中に下から引っ張られてここに落ちた…
それと何か関係あるんじゃないか?」

葉月が間に割って入った。

「ええ?ではひょっとしてお二人は平行世界から来られたのですか?」

「平行世界?」

「はい〜、本の世界が平行して無数に存在するのと同様に、図書館も無数に平行世界として存在するんです〜。
全ての次元において平行世界は無限に存在しています〜。
宇宙はフラクタル構造を形成していて、高い次元の構造は、それらに包含される低い次元の構造と相似形を成しているんです〜。」

眼鏡リリスがすらすら答えた。

「そうなの?初めて聞いた。リリスは知ってたのか?」

「それは…当然よ〜、あはははは…(冷汗)」

(こいつ、絶対知らなかったな。) 葉月はリリスをジト目で見た。

「そうですよね〜、ヤミなら知ってて当たり前の知識です〜。」

眼鏡リリスがにっこり笑った。

(このメガネっ子、なんかムカつく〜!)

二人のリリスの間に火花が散った。

「とにかく、なんでこうなったか考えようよ。」

葉月が二人をなだめる。

「はああっ!…えと…えと…ごめんなさい!」
いきなり頭を下げる眼鏡リリス。

「なぜ君が謝るんだ?」

「はうう…詳しくお話ししますぅ。どうぞあちらへ〜」

眼鏡リリスの示す方には四畳半程の畳のスペースがあって、その上にコタツが置いてあった。
そこに座って葉月とリリスは眼鏡リリスの話を聞いた。

「じゃあ、いなくなったこの世界のイブを探すために使った魔法が失敗して、ボク達のいる世界に通じる穴が開いてしまったって言うの?」

「そうみたいなんです〜。ソーマの特に強い場所に通じる穴を開けようとしたんですけど、失敗しました〜。」

どうやら眼鏡リリスはかなりのドジっ子のようだ。

「じゃあ戻る方法は分からないのか?」

「すみません〜。わたしがドジなばっかりに〜。許して下さい〜(泣)」

泣いて謝る眼鏡リリス。

「泣いたってダメ〜!あんたの下手くそな魔法のせいであたし達いい迷惑なんだからね〜!」

リリスは眼鏡リリスを責める。

「この人怖いです〜、葉月さん〜。」

葉月にしがみつく眼鏡リリス。

「偽者は黙ってなさい、あたしが本物のリリスちゃんなんだからね〜!」

「そんな恥ずかしい恰好してる人に偽者呼ばわりされたくないです〜。」

「恥ずかしいって何よ〜!おんなじ服着てるくせに〜。」

「だって、眼鏡を掛けてないですもん〜。」

「ボク達目は悪くないから眼鏡は掛けないんだけど…」

「ええ〜!?目が悪くないと眼鏡掛けないんですか〜?」

眼鏡リリスが信じられないと言いたげに驚いた。

「当たり前でしょ〜。ていうかどうして眼鏡無しだと恥ずかしいのよ〜!」

「だって〜【裸眼】って言うじゃないですか〜。
眼鏡を掛けないのはパンツを履かないのと同じくらい恥ずかしい事なんです〜。」

眼鏡リリスが顔を真っ赤にしながら言った。

「じゃあこの世界ではみんな眼鏡を掛けてるのか?」

「そうなんです〜。」

葉月の肩にほお擦りする眼鏡リリス。

「ちょっとメガネっ子〜、葉月になつかないでよ〜!
葉月だって眼鏡無しなのにいい訳〜?」

「だって、大好きな人がパンツ履いてなくても平気じゃないですか〜。
むしろ嬉しいです〜。」

「なんか訳分かんない理屈ね〜。
って葉月、顔赤いよ?」

「な、何でもない。」

何故か照れる葉月。

「あ〜!さてはさっきした時にパンツ履き忘れたんでしょ〜!
いや〜ん葉月のえっち〜。言ってくれたらリリスちゃんが続きしてあげるのにぃ〜。」

リリスがコタツを乗り越えて葉月に抱き着こうとした瞬間、葉月の刀が一閃した。
葉月の居合斬りでリリスの胴体はおへその所で上下に真っ二つになった。

「あうう〜葉月さんなんて事するんですか〜。」

また怯える眼鏡リリス。

「大丈夫、恥ずかしくて思わず斬っちゃったけど、リリスは死にはしないよ。こうやって…よいしょ…元に戻せば…」

葉月は床に転がって喚きながら腕をばたつかせているリリスの上半身を抱え上げて、座布団に正座させた下半身の上に載せた。
すると接合部からソーマの青白い光が溢れ出し、リリスの胴体は再びくっついた。

「…ほらね。」

「葉月さんすごいです〜。どこでそんな技を覚えたんですか〜?」

目をうるうるさせて葉月を見つめる眼鏡リリス。

「まあ、色々あってね。」
「ひど〜い葉月!いくら図星を突かれたからって、いきなり斬ることないでしょ〜!ぷんぷん」

リリスは相変わらず文句を言い続けている。

「すごく怒ってますよ〜、裸眼リリスさん。」

「気にしないでいいよ。あんなセクハラ女は放っておこう。」

葉月がリリスを無視してお茶を飲んでいると、眼鏡リリスがチワワのようなつぶらな瞳で葉月を見つめ、もじもじしながら切り出した。

「あの…葉月さん…キス…してもいいですか?」

「え?」

「わたし…葉月さんの事、好きになっちゃいました〜。」

葉月に抱きつく眼鏡リリス。葉月も頼りなくて健気な眼鏡リリスが可愛く思えたので、彼女の身体を優しく受け止めた。

「じゃあ…向こうで…ちょっとだけだよ。」

葉月と眼鏡リリスは連れ立って離れた物陰へ向かった。

「ちょっと待ちさいよ〜!あたしの葉月なんだから〜!
葉月もなんでそのメガネっ子がいいの〜?同じ顔なのに〜」

リリスは立ち上がって二人を追い掛けようとした。
が、何故か体はリリスの意思に反して後へと走り出した。

「あ〜ん!どうして〜〜〜〜〜!?」

実はさっき葉月がリリスの胴体をくっつけた際に、上半身と下半身が逆向きにされていたのだった。
そのためリリスが前進しようとすると後ろへさがってしまうのだ。
猛ダッシュで後ろ向きに遠ざかって行く。そして…

《ドシーン!!》

後頭部から書架に激突し、崩れ落ちて来た本の下敷きになって気絶してしまったリリス。

一方葉月と眼鏡リリスは、書架の陰で抱き合ってキスを交わしていた。

「ふあっ、葉月さん、何を…あん」

葉月はいきなり眼鏡リリスの胸を揉んで来た。

「ゴメン、さっきリリスと途中だったから…身体が疼いちゃって…」

葉月は気まずそうに手をひっこめようとしたが、眼鏡リリスはその手を優しく制止した。

「止めないで下さい葉月さん〜。わたしも…その…葉月さんとしたいです〜」

「いいの?」

「はい。お願いします。」
眼鏡リリスの眼鏡が光った。

「じゃあ…」

「あ、待って下さい〜」

眼鏡リリスが身体を離して右手の指を鳴らすと、眼前に天蓋付きの豪華なベッドが現れた。

葉月はふかふかのベッドの上に眼鏡リリスを優しく横たえ、スカートの中へ手を差し入れ、股間にそっと触れる。

「もうこんなになってるんだ。パンツの上からでもぬるぬるなのがわかるよ。
キスしただけなのに、キミって以外にエッチなんだね。」

「言わないで下さい〜、恥ずかしいです〜。」

眼鏡リリスが両手で顔を覆った。

「恥ずかしくなんかないよ。ほら…ボクも」

葉月は眼鏡リリスの手を取って自分の秘所へ導いた。

「あ…すごい…ぬるぬる」
そして葉月は眼鏡リリスのパンツを下ろし、割れ目に軽くキスをしてからゆっくりと舌を這わせた。

「はあっ…いい…葉月さん」

眼鏡リリスがピクッと身体を震わせる。

「おマメも固くなってる…」

「やあぁぁん、噛まないで下さぁい〜…ああ…ああああん…」

眼鏡リリスが快感に身をよじらせた。

「もうイッたんだね。じゃあ今度はボクにもして。」

葉月はスカートを脱いでお尻を眼鏡リリスの顔へ向けた。
眼鏡リリスは葉月のピンクの割れ目をぴちゃぴちゃと音を立てて舐め回した。

「はあっ…すご…上手…だね」

「葉月さんわたしの舌、気持ちいいれふか?…わたし下手くそなのに…感じやすいですね〜」

「いつも…あ…自分でして…あん…はあん」

葉月は既に息が乱れて言葉にならなかった。

「ボクもまた…してあげるから…んんっ…同じようにして…」

葉月は眼鏡リリスの割れ目をくぱっと開いた。

「ぁん、開いちゃいやです…恥ずかしいよぉ」

恥じらう眼鏡リリスにかまわず奥の襞を丁寧に舌で舐め回す葉月。
そして膣口に舌を差し入れ、舌を出し入れした。

「ふ…ふううん…ん…んふっ」

二人は互いのオマンコを舌と唇で愛し合った。
眼鏡リリスの身体がほぐれてきたのを見計らって、葉月は人差し指と中指を膣口にツプッと差し入れた。

「ひああっ…指ダメェ」

眼鏡リリスが一際高く鳴いた。

「大丈夫、怖がらないで力を抜いて。」

そしてゆっくり指を動かす。

「どう?痛くない?」

「あ…き…気持ちいい…続けて…下さい…」

眼鏡リリスが懇願すると、葉月は指で膣の中を掻き回した。

「やあぁ…ダメ…そここすっちゃ…ダメェ」

「ふふっ、ここがいいんだね」

葉月は自分の指に敏感に反応する眼鏡リリスに少し意地悪な気持ちがもたげてきて、彼女のGスポットを激しくいぢめ続けた。

「やああん…葉月さんそんなにいぢめないでぇ…」

身体をのけ反らせる眼鏡リリス。

「眼鏡リリスの中、すごく熱いよ。指に絡まって来る。」

「こんなに…されたら…あん…わたしもいぢわる…しちゃいますぅ」

眼鏡リリスも葉月の膣に指を入れて、中をいぢめ始めた。

「ふあっ…指いい…眼鏡リリスの指…いい…よお」

「ああああ…葉月さぁぁん…もっと…もっとしてぇ」

葉月は腰をくねらせながら、舌で眼鏡リリスの固く勃起したクリトリスを刺激した。

「ああん葉月さあぁん…わたし…もうダメ…イキそう」

「ボクも…じゃあ一緒に」

葉月はキュッと眼鏡リリスのクリトリスを噛む。
眼鏡リリスも葉月の愛液で溢れ返ったヴァギナを音を立てて強く吸う。

「ああああ…イク…イッちゃううう」

二人は大きな鳴き声を上げて同時に絶頂を迎えた。

その後葉月は、汗だくになって肩で息をしている眼鏡リリスの股間に自分の股間を密着させて言った。

「もう一回いくよ」

そして葉月は腰を前後に激しく動かして、ヴァギナ同士を擦り合わせた。

「どう?…ん…気持ち…いい?」

「あ…は…気持ちいい…すごいぬるぬるで…気持ち…いいよぉ」

二人の熱い吐息とベッドの軋む音が図書館の薄暗がりに吸い込まれて行く。

「あ…また…イクぅ…」

そして二人は抱き合いながら二回目の絶頂を迎えた。最後に優しくキスを交わしてから、二人は満ち足りた表情でベッドに横たわった。

「葉月さん、あの…すごく…よかったです〜。」

眼鏡リリスがうっとりとしながら隣の葉月に語りかける。

「ゴメンね、しちゃって。」

葉月は顔を真っ赤にしながらすまなそうにしている。

「ううん、嬉しかったからいいんです。葉月さんはいつもリリスさんとこんなセックスしてるんですか〜?」

「うん…まあ…そうかな。リリスが色々してくるから…」

葉月が照れながら答えた。
「お二人ともセックスがお上手なんですね〜」

「まあね。ボクはリリスに身体を開発されて…それで覚えたんだ。
いつもはリリスが攻めでボクは受けなんだけど…キミを見てると可愛くていぢめたくなったんだ。勢いで突っ走って本当にすまない。」

葉月は自分が欲望に押し流された事を後悔していた。

「謝らないで下さい〜。わたしは綺麗で凛々しくてエッチな葉月さんが大好きなんです〜。」

眼鏡リリスがにっこり微笑んだ。

「ありがと、眼鏡リリス。」

葉月は眼鏡リリスにもう一度キスした。

「所でキミは眼鏡イブを探してるんだろ?だったらボクも手伝うよ。」

「え?いいのですか〜?わたしのせいでこうなったのに悪いです〜」

「構わないよ、そのうちボク達の世界に戻る方法が見つかるかも知れないからね。」

「はうう〜、頑張って魔法の修行します〜」

冷汗をかく眼鏡リリスだった。


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リリスが意識を取り戻した頃には、葉月が眼鏡イブ探しを手伝う話がすっかりまとまってしまっていた。

葉月に体を元に戻してもらったリリスは、不本意ながらもこれ以上眼鏡リリスが葉月に接近しないよう監視するために同行することにした。

「ではソーマの強そうな本を探して来ます〜。」

「待って。」

葉月は眼鏡リリスを制して一人書架の間を進み出した。

「えーと…確かこの辺に……あった!」

葉月は棚から一冊の本を手に取ってページをめくった。

「やっぱりそうだ。」

「何故その本なんですか〜?」

眼鏡リリスが怪訝な顔をして葉月を見た。

「平行世界が相似形ならこの図書館の本の配列も似てるんじゃないかと思ってね。
ボク達の図書館ではここにボクの故郷の本があるんだ。この本の中に入ればもう一人のボクが居る。
何か手掛かりが見つかるかもしれない。」

「はうう〜、葉月さん凄いです〜!」

眼鏡リリスが眼鏡をキラキラさせた。

「相似形つったって誤差はある訳だし〜。眼鏡とか。
だからその世界にイブが居るとは限らないんだけど…
葉月って頭いいんだか抜けてんだか…」

リリスが正論めいた事をぶつぶつ言ったが、何やら盛り上がっている二人の耳には入らなかった。

「リリス、ボサッとしてると置いてくよ!」

「あ〜ん、待って〜。」

そして奇妙な三人組は本の中へと旅立って行った。


【後編へつづく】